米を炊くな。ご飯を炊け。
~屁理屈が言葉を乱すのか?~
このところ変な言い方が流行っているのかと気になってしまう。すなわち、
「米を炊く」
日本人なら普通は「ご飯を炊く」と言うだろう。何故こんなおかしな言い方をするのか。
と思ったら、どうも「ご飯を炊くというのはおかしい。ご飯を炊いたら焦げてしまう。米を炊くからご飯になるのだ」ということらしい。
まともな人なら溜息をつくのではないか。
この「ご飯」は主語ではなく目的語である。「炊く」という行為の結果として「ご飯」が出来るけだ。このぐらい義務教育の国語の時間で習わなかったか?
したり顔で「米を炊く」という人に訊きたい。あなた方は
「湯を沸かす」と言わずに「水を沸かす」と言うか。
「穴を掘る」と言わずに「地面を掘る」と言うか。
「服を縫う」と言わずに「布を縫う」と言うか。
「家を建てる」と言わずに、何と言うか?
こんなことを書けば、したり顔の「米を炊く」派の人たちは、自分たちの屁理屈を棚に上げて私が「屁理屈を言っている」と言うであろう。過去の例から言えばそうなるのだが、それはそれとして、
私は「米を炊く」人たちが他の表現も平等に「水を沸かす」「地面を掘る」「布を縫う」と言っているなら文句は言わない。しかし、その人たちが
「湯を沸かしたら蒸発して無くなってしまうではないか」
「穴を掘るって、もともとあった穴をさらに深くすることじゃないのか」
「服を縫うって、もう出来上がって服になってるのにどこを縫うの」
と言って「これはおかしい」と疑問を提示するか?
ない。ない、ない。
どの人もこの人も、「ご飯を炊く」だけをあげつらっているのである。
何故か?
どうせどこぞのネットの記事か書き込みを見て唆されたのだろう。
誰かから吹き込まれた借り物の意見だから、ひとつにしかこだわれないのではないか。
で、何でこんなことを書いたかというと、要するに
小学校で英語なんぞ教えようとするからアカンのや。
小学校ではもっと日本語をしっかり学ばせろ。
ということなのである。
文部科学大臣をやっている萩生田光一せんせい、受験の英語だとか論文問題の出題を延期したその見識でもって、小学校で英語を教えるというのも白紙撤回していただけませんか。そうすれば日本を救った名大臣として名を残せると思う。
【追記】
最近はなくなったと思っていた間違いがまだ残っていた。
拳銃を使った殺人事件のことを「銃殺」と言ってはいけない。正しくは「射殺」である。
「銃殺」とは「銃を使って執行される死刑」のことだから、間違えないように。
やはり小学校で英語を教えるのはやめろ。もっと国語をやらねば駄目だ。
【言っておきたい古都がある・375】