京都の洋食(その17)
~洋食の付け合せは全て「サラダ」になるのか?~
前回からの流れでサラダの話を続ける。まさかサラダの話これだけ引っ張れるとは思っても見なかったが。
日本で独特の発展を遂げたサラダの数々。
マカロニサラダ・スパゲティサラダ・ポテトサラダ・春雨サラダ・海藻サラダ・ごぼうサラダ・大根サラダ・サラダうどん・サラダ素麺。
まだまだあるかもしれない。
しかしサラダといえば野菜料理のはずなのだが、マカロニやスパゲテイが「サラダ」になるというのは本場の人たちはどう思うのだろうか。
ポテトサラダというのもどうか。マッシュポテトというのはあっても、それを「サラダ」という感覚で食べるのかどうか。
春雨サラダに至っては中国人もビックリではないかな。
海藻サラダは、私が勘違いした「コブサラダ」に近いものがある。四方を海に囲まれた日本ならではのサラダかもしれない。
ごほうサラダとか大根サラダも日本だけだと思う。
これがサラダうどんにサラダ素麺となると、もうサラダではなくなるのではないか。
サラダうどんというのは冷やしうどんにサラダを乗せたようなものだ。「ぶっかけうどん」とか、京都でなら「おろしうどん」と言われるものの仲間だろう。サラダと一緒にかき揚げをトッピングすることもある由。
うどんを素麺に変えればサラダ素麺だが、麺そのものはドレッシングで食べるのではなく麺つゆで食べる。
こうなるとスパゲティをマヨネーズなどで合えたら「スパゲティサラダ」で、サラダをトッピングしたら「サラダスパゲティ」になるようだな。
「カレーライスとライスカレー」の違いに比べたらモノ自体が全然別なので分りやすい。
ところで、このような様々なサラダは洋食屋さんではなく居酒屋で提供されるもののようである。
こうなると内容が「洋食」からも離れてきそうだ。「多国籍料理」とか「無国籍料理」といった範疇に入るかもしれない。
さて、こうなると「サラダとは何か」という話になるのだが、日本ではそもそも洋食の付けあわせとしてお皿に盛ってあった野菜が独立して(単独で)小さなボウルに入れられ、ウスターソースではなくドレッシングを掛けるようになったのが「サラダ」の始まりではないだろうか。
それが洋食屋さんから飛び出して居酒屋さんで提供されるようになり、さらに様々なバリエーションが考案されたと。これの起源が京都か大阪か東京か。今となっては誰にも分からないだろう。
ついでにドレッシングの話もすると、数々の「和風ドレッシング」がある。日本人の発想は凄いのだが、その頂点のひとつが「明太子ドレッシング」ではないか。
数年前、某大手メーカーが発売したものを、「こんな珍しいものは一度は使ってみないかん」と思ってすぐに買った。
で、食べてみたら意外と美味かった。
「これ、いけるやん」と思いつつも、これまた意外と早く飽きてしまった。
頻繁に使うものではなさそうだ。
それでもカニカマボコとワカメを乗せた野菜に明太子ドレッシングをかけた「海鮮サラダ」は、話の種に一度試されては如何でしょうか。
ん? 明太子ドレッシング、今でも売っているのか? 明太子マヨネーズというのはスーパーにあるけど。近所のスーパーで確認したら売ってなかった。やはり飽きられたか?
(来週に続く)
【言っておきたい古都がある・327】