便利堂創業130周年記念 ☆★☆ 至宝をうつす ☆★☆京都文化博物館
わが国は先人たちの手によって伝えられた文化財―いわゆる「伝世品」が数多く遺されている国であり、その文化財の中には「日本書紀」や「源氏物語」などのように「写本」になって伝えられているものが少なからずあります。
古代から長い年月にわたり、貴重な文字資料や優れた絵画作品は臨写や模写など人の手によって写しが作られてきましたが、写真技術が生まれた近代以降は、人の手がカメラに変わり、文化財はカメラによって写されることになります。
撮影された文化財の象徴的な存在に法隆寺金堂壁画があります。昭和24年(1949)の不慮の火災で壁画が焼損したことから、その14年前(昭和10年・1935)に便利堂によって撮影された焼損前の壁画のガラス乾板は、その価値が評価されて国の重要文化財に指定されています。
明治以降に写真技術を応用して生み出された技術にコロタイプがあります。コロタイプは撮影された写真を原版とする印刷技法で、自然な濃淡や階調の表現に優れており、国宝・重要文化財の絵画や書跡などの複製に利用され、文化財を後世に伝える役割を果たしています。
本展覧会では、明治20年(1887)に京都の地で創業し今年で130周年を迎える便利堂が手掛けてきた文化財写真撮影と複製の歴史をたどります。法隆寺金堂壁画や高松塚古墳の撮影の歴史を紹介し、また、便利堂が製作した文化財複製を展示します。
関連イベント
①記念講演会(1)「文化財写真と歴史学―歴史史料の複製とコロタイプ印刷の関係から―」
- 日 時:2017年12月23日(土・祝)10:30~12:00
- 講 師:谷 昭佳氏(東京大学史料編纂所技術専門職員)
- 会 場:本館3階フィルムシアター(定員150名)
- 参 加 費:無料(ただし、本展覧会の入場券[半券可]が必要です)
②記念講演会(2)「文献資料の書写と複製」
- 日 時:2018年1月13日(土)10:30~12:00
- 講 師:長村 祥知(当館学芸員)
- 会 場:本館3階フィルムシアター(定員150名)
- 参 加 費:無料(ただし、本展覧会の入場券[半券可]が必要です)
③文化財複製シンポジウム
- 日 時:日時:2018年1月7日(日)13:30~16:00
- 会 場:別館ホール(定員100名)
- 参 加 費:無料(ただし、本展覧会の入場券[半券可]が必要です)
〈基調講演①〉13:40~14:10
「模写・複製の理念と意義-絵画模写をめぐって-」
- 講 師:朝賀 浩 氏(文化庁美術学芸課主任文化財調査官)
〈基調講演②〉14:20~14:50
「美の記憶-封印された姿と時間-」
- 講 師:村上 隆 氏(京都美術工芸大学副学長)
〈座談会〉15:00~16:00
「うつす」文化の未来 -変わるものと変わらないもの-
- パネリスト:朝賀浩、村上隆、長村祥知
- 司会進行:西村寿美雄(株式会社便利堂)
☆★☆ 至宝をうつす-文化財写真とコロタイプ複製のあゆみ- ☆★☆
■開催日時:2017/12/16 ~2017/1/28 10:00~18:00 金曜日~19:30 (入場は閉室の30分前まで)
休館日/月曜日(※12/28~1/3は休館)
■開催場所:京都文化博物館 4階展示室
〒604-8183 京都市中京区三条高倉
■料 金:一般1000(800)円 大高生700(500)円 中学生以下は無料
※( )内は前売料金及び20人以上の団体料金。(会期中は当日券のみ)
■お問合せ: 075-222-0888
■U R L:http://www.bunpaku.or.jp/
https://www.benrido-130th-anniv-ex.com/