京都観世会6月例会
俊寛〈鬼界島(きかいがしま)〉の演目は・・・平安末期の最果ての地で起こった悲劇。
運命に翻弄される、ある非力な人間の物語。
鬼界島は、能の成立した中世においては、日本の最西端に位置すると考えられており、いわば魑魅魍魎の棲む異界との境界領域としてとらえられていました。そのような極限状態の中で起こる悲劇として、本作は描かれています。
京都では平清盛ひきいる平家一門が栄華を極めていたが、驕る平家に対して反感を持つ者も少なくなかった…。そんな中、事件は起こる。後白河院を 中心とするグループがクーデターを計画していたことが露見したのだ。事件に連座した人物は次々と処罰され、中でも俊寛僧都・平康頼・藤原成経の三人は、鬼 界島へと流罪に処せられたのだった。
月日は経ち。帝に嫁いだ清盛の娘・徳子が妊娠したことを受け、安産祈願のため特赦が行われることとなった・・・・・
この演目は、典型的な能のように、舞を通じて場面が展開していくのではなく、物語の持つ必然性を通じてドラマが展開していく。
景清と同様、平家物語の挿話に題材をとった作品で、景清は晩年の零落を描いている点で、原作とは離れたところでドラマを作り上げているが、俊寛は原作に忠実なままで、原作ではうかがい知られなかった俊寛個人の内面の葛藤を描き出している。
■開催日時:2015/6/28 開場10:00 開演11:00
■開催場所:京都観世会館
〒606-8344 左京区東山仁王門東入岡崎円勝寺町44
■料 金:前売指席券6000円 当日指席券6500円 学生券(2階自由席)3000円
■お問合せ:075-711-6114
■URL :http://www.kyoto-kanze.jp/