げてげて、うまうま さかな波波
上とか、下ではなく、ようは美味いか、不味いか
ノドグロや甘鯛、キンキといった高級魚がどうも持てはやされる街なかだが、ところがどっこい、板井オーナーは「漁港にこそ美味さがある」と今日も水槽を乗せた軽トラを日本海へと飛ばす。高級魚を仕入れるのは当然だが、漁港にはゲンゲ、ババァ、アカヤガラ…料亭では出ないであろういわゆる下魚も、美味ければ当然仕入れるスタンス。足が早いだけに普段は地元で食される食材だからこそ、軽トラに乗せた水槽がここで活躍する。朝仕入れた食材が夜にはカウンターに。お客の「あれは何?」という質問には「民宿に泊まっておばあちゃんから教えてもらった知識が役立つ」と板井さん。「海では魚に上を下もない」という言葉を、この街なかだからこそ真摯に伝え続ける。
隅々まで味わう深海魚の魅力
「ばばぁのあら炊き」1人前1800円~
ゼラチンをズズッ…が新食感
「ゲンゲのお吸い物」1000円
「一食瞭然」の海老三昧
「エビ3種お造り盛り合わせ」3人前4800円
げてげて、うまうま
1.マテ貝(写真左上から)
日本全国の干潟や浅い泥の海に生息。砂や泥に穴をあけて入っており、その穴に食塩を入れるとニョキッと飛び出るマテ貝採りは有名。見た目はグロテスクだが味は絶品。軽く炙る程度で塩焼きやバター焼きなどに
2.オニエビ
海老3兄弟の1人。兄弟の中ではもっとも大きく、トゲも多い。が、その身の弾力は特筆モノ。焼くとさらに甘みも増す。ちなみにこういった種類のエビはほぼ地元で食されるため、なかなか市場には回らないという
3.シマエビ
海老3兄弟の2人目。名前どおりの縞を持ち、兄弟の中ではもっともオシャレ。簡単に言えば「甘エビの大型」。甘さやとろみのある食感はそのままに量は2倍というお得なエビ。お造りでしゃぶり尽くすのがベターかと
4.ガサエビ
海老3兄弟の3人目。地方名が多く、モサエビ、ドロエビなど呼び方も多数。主に日本海側で揚がる。甘みは甘エビよりも濃く、実は知る人ぞ知る人気の食材。お造りの後に殻をカリカリに焼いて丸ごと食べるのも美味い
5.アカヤガラ
世界中で揚がるトビウオの仲間。長~い口と長~いシッポのお陰で食べられる身は1/3だけ。見た目の悪さは折り紙付きだが、味は想像以上に美味い。淡泊な白身はお造り、塩焼き、煮付けなど、何にでも対応できる
6.ヒオウギ貝
竜宮城のごとく、赤・黄のカラフルな殻を持つ貝。日本海をはじめ、伊勢湾などでも揚がり、焼くと殻が激しく開くことから別名「あっぱっぱ貝」とも呼ばれる。基本的な調理は焼き。バター焼きがもっとも美味しい
7 .ババァ
鳥取や丹後半島などで揚がる深海魚。見た目の悪さは相当なものだが、下魚の例に漏れず、見た目が見た目だけに味は美味い。「タラやアンコウの身にゼラチン質を足した感じ」と板井さん。お造りや鍋で味わいたい
8.ゲンゲ
ミズウオ、ドギ、グラ…など地方名は多数あるが、ここでは富山のゲンゲと称す。鱗の代わりにゼラチン質で全体が覆われた深海魚で、そのゼラチン質独特の食感は美容にもいい!? おすすめはお吸い物や煮付け
京都市中京区麩屋町通二条下ル尾張町231
麩屋町二条ビューハイツ1F
075・211・5073
17:00~24:00/月休、第1・3日休
【平均予算】5000円
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