八坂神社は見所がいっぱい
〜あるわあるわ、これだけのエピソード〜
先週の祇園めぐりの締めくくりで「八坂神社は南側の石鳥居のほうが正門」だと書いたが、それ以外にも「意外な事実」とも言うべき見所がたくさんある。
それを列挙してみよう。
1.正門は石鳥居……四条通に面した西門を「正門」と勘違いしている人が多いが、下河原通りに面した石鳥居が正門である。
2.神社に玄関……本殿の東の方に車寄せのようなものがあり、祇園造りという。
3.竜吼……玄関の入り口の東の柱から西を向いて手を打つと反響する。
4.本殿の廂(ひさし)の角……廂は長方形で隅の部分が垂直に垂れている。
5.本殿下の竜穴……神殿の下に井戸があり、これが竜宮に通じているという。
6.吉兆水……本殿東の神饌所にある井戸の水を戴くと招福のご利益があるという。
7.北向き蛭子神社……本来は北向きにはしないものを北向きにしている。
8.南楼門は高い…正面から入ると楼門から拝殿まで石段で降りる。実は楼門、拝殿、本殿は同じ高さ。
9.駕門……西の楼門は駕籠のように見える。
10.夜泣き石……境内の捨山王社の前にある石は夜になると泣く。
11.忠盛灯籠……平家物語にある平忠盛が、鬼だと見られた者を救った話がある。その時火の灯されたのがこの灯籠だという。
12.円山応挙の鶏……応挙の描いた鶏の絵をみたお百姓が「これは嘘だ。秋の羽根をしている鶏の下に春の草が描いてある」と指摘した。
応挙は慌てて描き直したそうである。
13.鳥居の貫に文字……西門を入った所の疫神社の石の鳥居には額の代わりに貫に「疫神社」と彫りつけてある。
14.二見岩……この岩はまっすぐ地中を貫いており、地軸にまで達しているという。
15.二軒茶屋……中村楼一軒だけしかないのに二軒茶屋。実は昔はもう一件、藤屋というのがあった。
これだけ全部廻れば、八坂神社もちょっとしたテーマパークだ。清水寺といい勝負である。
本来は知恩院の真似をして「七不思議」を作ろうとしたら、あるわあるわで「七不思議」が七つ以上になってしまったとか。
二見岩というのはどうも「内宮・外宮」のことらしく、伊勢神宮を模した二つのお社の中にある岩が地中深く延びていて地軸に達している由。
ここまで来ると何処まで信じて良いのやら分らなくなる。
で、「七不思議」以上に不思議なことがひとつ。
ここに掲げたリスト(かなり前の情報)には「美御前社」が入っていないのである。
ここの美容水で顔を洗うと美しく若返るとか。
つい最近、修復されて人間よりもお社のほうが美しくなった。
八坂神社としてもここを「ウリ」のひとつにしたいようだが、昔のリストにはいっていないということは、ここのご利益は結構新しいのか?
ところで、「正門」と勘違いされている西門だが、もうひとつ考えられないような特徴がある。
何と、「七不思議」があるのですよ。
神社やお寺に「七不思議」があるというのは不思議でも何でもないが、「門」に七不思議とは……。
八坂神社の見所のオマケとして以下に列挙しておく。
1.正門よりも立派である。
2.祇園祭の神輿もお稚児もこの門は通らない。
3.屋根に降棟がない。
4.冠木が長く出ている。
5.この門には蜘蛛の巣が張らない。
6.棟瓦の経の巻が5個あって、水平面に位置している。
7.楼門が江戸時代の駕籠のような形をしている。
それにしても、門にまで七不思議があるのだから、八坂神社と言うのはかなり由緒正しいのですねえ。
【言っておきたい古都がある・37】