胡散臭い話
~メガソーラーも耐震構造も~
京都府の南山城村で大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設が計画されている。
建設予定地は甲子園球場70個分。それだけの樹木を伐採すると環境破壊や土砂災害に繋がるとして村民から反対の声が上っている由。
このメガソーラーを建てるのは東京にあるアメリカ資本の会社「ファースト・ソーラー・ジャパン合同会社」である。
同社は
「調整池を設けて雨水を管理する。パネルは世界各国で使用し、安全性に問題はない。クリーンなエネルギーの供給で地球環境に貢献したい」
と説明している。
ただし、ここで作られる電気は全て中部電力に売電されることが決まっており、南山城村に電力は供給されない。
南山城村の村長さんはこの件に関し
「税収が大幅に増えるわけではなく、雇用も発生しないが、設置に反対する理由はない」
とコメントしている。
甲子園球場70個分もの森林を伐採しながら税収は増えないし雇用も発生しないのなら、十分に反対する理由になると思うのだが。
これだけ大きい施設の建設が京都府の環境アセスメント条例に引っ掛からないのかと思いきや、太陽光発電所は条例の対象外であった。どうも京都府の環境影響評価条例が出来たときはこんな広大な太陽光発電所の設置は想定されていなかったようである。
京都府は今回の事態を受けて75ヘクタール以上の造成工事は対象とするように、条例の施行規則の変更を検討しているらしい。
今問題になっている予定地は南山城村北大河原(約76ヘクタール)と隣接する三重県伊賀市(約18ヘクタール)の合計94ヘクタール。
さて、京都府は今回の南山城村の問題に介入するのであろうか。
もうひとつ。胡散臭いのは耐震構造である。
今、京都国立博物館の本館も南座も閉ざされている。要するに、耐震構造に問題あり、というやつである。
確かに、建てられてから今までの年数を見れば耐震構造がクリア出来ているとは思えない。しかし、何か胡散臭いのである。
私はこの耐震構造云々はゼネコンが金儲けのために言っているだけではないのかと思っている。「耐震構造」と言っておけば仕事になるのである。
だいたい、京都市役所や京都府庁舎の耐震構造はどうなのか?
博物館や南座がダメならこの2つも危ないと思うのだが。
「今なら耐震構造で仕事が取れる」特需の大義名分に小躍りする人たちの姿がチラついて仕方がないのですけど。
「もし大規模な地震が来たらどうするんだ」
という殺し文句も浮かんでくる。
「誰が責任を取るのか」
という決め台詞も効き目があるだろう。
まあ歴史的な建物というのは歳月を経ている分、手厚いメンテナンスが必要なのはわかる。だから建築物としての価値を損なうことなく手当てするのは必要に違いない。ただ、私などは「次はあそこかな? それともこっちかな?」と勘ぐってしまい、順番を決める談合も終っているのではないのかなどと、想像力を逞しくしてしまうのであります。
【言っておきたい古都がある・180】