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    松尾芭蕉とお酒(その4)

    ~芭蕉にはファンからプレゼントが来る~

     前回までにご紹介したように、とにかく結構お酒が好きだった松尾芭蕉だが、そうなるとこちらも少し「いけず」になって、何か失敗談はないだろうかと探してみた。
     すると、やっぱりあるのだな。これはもう酒飲みの性(さが)である。
     

    「宵のとし空の名残をしまむと、酒飲み夜ふかしして」

    と大晦日の夜にお酒を飲んですっかり夜更ししたので

    笈の小文(おいのこぶみ)
    貞享4年(1687)10月に江戸を出立し、尾張・伊賀・伊勢・大和・紀伊を経て、須磨・明石を翌年4月まで遊覧した時の紀行。

    「元日寝忘れた」(笈の小文)

     きっと、起きたらもう昼過ぎだったのかもしれない。あけましておめでとう、どころではない。
     そこで反省して一句。

    「二日にもぬかりはせじな春の花」

     正月の2日目はぬかりなく起きますと。
     しかし、「ぬかりなく起きる」ということは、大晦日の失敗にも懲りずに、元日の夜もやっぱり酒を飲むということではないのかな? 飲んでこそ、「ぬかりなく起きる」の決意と面白さが出ると思うのである。
     でも、大晦日だって元日には「ぬかりなく起きる」つもりだったはずなのですよ。
     2日目はちゃんと起きられたのかどうか、何も書き記されていない。
     ふふふ、ということは、また寝過ごしたのかな。

     ここで大事なのは「元日の朝に寝ていた」ということ。これは切実な問題なのである。
     芭蕉クラスの芸術家になると、元日の朝はお金持ちの弟子がお酒やらおせち料理やらをもって新年の挨拶に来る。でも、そこで家の戸が閉まっていたら弟子たちは「あ、芭蕉先生は元日から吟行に行かれたのだな」と思って帰ってしまうわけだ。で、新年の挨拶というのは元日の朝にやるから値打ちがあるのである。2日にまた改めてやってくる人がいるだろうか。また、芭蕉の方から「昨日はゴメンネ」と出向くことが出来るだろうか。
     そりゃ、中には2日に出なおしてくる人もいるにはいるだろう。しかし多くの人が「芭蕉先生は新年早々吟行に行かれた」と思ってしまったら、「先生は留守だ」と思うわけであるから、2日目にはもう来ない。

    菅沼曲翠(馬指堂)
    幻住庵は叔父定知の草庵。
    近江蕉門の重鎮で、膳所における芭蕉の経済的支援をした。
     これだから切実な問題なのだ。貰えるはずのプレゼントが貰えなくなってしまう。
     どれだけ遠慮なく貰っていたのかというと、芭蕉の手紙で弟子の贈り物にお礼を書いているものがある。(現代語訳)

    「一樽いただきありがとうございます。これで寒風をしのぐことが出来ます」(曲翠宛)

     お酒を一樽、おそらく角樽かな、をもらった。冬の冷たい風が吹く日にお酒は有難い。芭蕉さんのニコニコ顔が浮かんでくるな。

    「油のような(濃い)酒を5升も贈って下さるとは豪勢なこと。蕎麦粉一重、小使銭200文もありがたく頂戴いたします」(杉風宛)

     こちらは酒と蕎麦粉だけでなく、お金までもらっている。芭蕉先生、笑いが止まらないのではなかろうか。
     政治家がこれだけもらったら大スキャンダルだぞ。

    杉山杉風
    江戸幕府出入りの魚問屋主人。蕉門の代表的人物。豊かな経済力で芭蕉の生活を支えた。
     まあ、現代でも人気歌手の楽屋にはファンからの贈り物がいっぱい来るといいますから、似たようなものですかね。
     そして、遠慮なく受け取る。そりゃそうでしょう。つき返したりしたら相手の好意を無駄にすることになるのだ。かえって角が立つ。やはり受け取らねば。
     以前、「『徒然草』の知恵(その6)」で書いたが、兼好法師も「良い友は物をくれる友」と言い切っている。
     持つべきものは良い友。そして良い弟子、というか支持者というか。芭蕉の心酔者がいたわけだ。
     ということはつまり、芭蕉は酒に酔い、弟子たちは芭蕉という人に酔い、それでお互いが幸せだったのだ。
     これが大芸術家の真髄か。
    (来週に続く)

    【言っておきたい古都がある・259】

     

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