京都の洋食(その23・最終回)
~夜に食べてもAランチ~
Aランチ。これこそ日本にしかないだろうという洋食屋のメニュー。
Aランチというのは誰でもご存じだろう。もちろん、BランチもあればCランチもある。
だいたい「ランチ」というのは「昼ごはん」の事だが、洋食屋の場合は夜でも注文来るのが普通。
これは何時頃からあるのかと言うと、一説では「Aランチとは、戦後のコザで生まれた沖縄ならではのメニューだそうで、ニューヨーク帰りのシェフがオープンしたレストランで提供されたらしい。
Aランチ、Bランチ、Cランチと、本土でいうならば「松・竹・梅」にあたる「A・B・C」ランチは、戦後沖縄の豊かさを具現化した食文化であると説明されている。
実際、沖縄では「コザAランチ選手権」というのも開催されている由。
ランチセットのA、ということではなく、カツやハンバーグなど洋食の盛り合わせを沖縄では「Aランチ」と呼んでいるのだとか。私は沖縄に行ったことがないので分からない。
ところで、Aランチ、Bランチ、Cランチとある場合、どれが一番高いのか?
まさかBは無いだろうが、AとCではどちらが高いのか、様々なようだが、私の印象ではCランチの方が高いように思う。
まあ3種類あるときは真ん中の品に注文を誘導するために前後の2つが存在するというのが定説ではある。
Aランチが1000円以下で、Bランチが1100円、でもCランチは2500円と極端に高くなるお店もあった。ただしその店のCランチはステーキでしたが。
Aランチのみがあり、BランチとCランチは無い、というお店もある。
それやったら、ただ単に「ランチ」とか「〇〇ランチ」でええやないか、と思うのだが。
恐らく、以前はBもCもあったのだろう。
しかし、Aランチだけの店はあっても、Bランチだけの店というのは無いのではないかな。
もしBランチだけが残った場合は、Aランチと名前が変わるのかもしれない。
で、各ランチの中身だが、大衆的な店だとエビフライ、ハンバーグ、トンカツの3つを組み合わせているのではないか。この三つの順列組み合わせと、そこに目玉焼きとかロースハムがプラスされたりする。
メニューには具体的な料理を記していない店もあった。
Aランチは魚料理か肉料理かを選ぶ、Bランチは魚料理と肉料理の盛り合わせ、Cランチはステーキ。
こんなスタイルだった。
多分、その日ダブついている食材を使うのだろう。だから高級食材が余っていた時に当ればラッキー。
さて、Aランチだけしかないお店で私の印象に残っているのは
エビフライ、ハンバーグ、豚ヒレカツ、ソーセージ、ロースハム、サラダ
以上が盛り合わせてあって2200円也、というものです。
ちょっと高いだけあって美味しかったです。特にエビフライが。
そうそう、同じような料理が出てきても、お皿に持ってあったら「ランチ」で、和風の箱に入っていたら「洋食弁当」になるみたいだ。
これも日本独特。
そして京都は意外と洋食の名店が多い。(やっと元の話題に戻った)
私の地元である伏見でも洋食といえばこのシリーズの最初でも紹介した「老舗」の大進亭や「新興勢力」のコートレットなど花盛り。
でも、やはり近すぎると「有難味」が薄くなるのか、中々行かない。
特に私の場合は家の近くまで帰っていればそのまま自宅に戻り、自分で作るので地元の名店には行かない生活になってしまう。
それと、人間誰でも「外でご飯食べ」というときは、一種の「非日常性」を期待するのか、近場ではなく少し足を延ばす。
やっぱり「ワクワク、ドキドキ」したものを感じるには、ある程度の「遠さ」が必要なのである。
ということで、話が長くなったが、洋食のお話はこれでお開きにして次回からは新ネタ。
皇太子殿下が即位され元号も変わるので、まあそれらしい話を書くようにします。
令和の時代になっても、今までどおりよろしくお願いいたします。
m(_ _)m
【言っておきたい古都がある・333】