京都の洋食(その14)
~スパゲティはいつからパスタになったのか~
今回はスパゲティである。
近年はパスタと言うのが普通で、「スパゲティ」なんて言うと「時代遅れ」と思われるかもしれない。
しかしパスタというのは「麺」だからマカロニもペンネも全部パスタだろう。ちゃんと分ければいいのにわざわざ曖昧にしているのではないか。
スパゲティがパスタに「昇格」したのは、やはり所謂「バブル時代」にイタリア料理が「イタめし」として人気になってからだとのこと。まあ、「スパゲティ」と言うより「パスタ」と言った方が何となく洗練されている気になるので定着したのかもしれない。
ところでわが国のスパゲッティは来歴が明白で、昭和3年(1928)、日本で初めての国産スパゲッティが「ボルカノ」(現在の日本製麻株式会社ボルカノ食品事業部)によって製造された。当時は「スパゲッチ」と称した由。今でもそうらしい。
ビーフシチューやカレーライスに比べて遅い。やはりうどんやそばの文化があって、浸透しにくかったのか。
私が子供の頃はスパゲッティといえばミートソースとナポリタンしかなかったような気がする。
ところで、このスパゲティ・ナポリタンというのは日本で出来たもので、本場のナポリには無いとか。
こうなると天津飯と同じである。
ベーコンとホウレン草のスパゲティとか、カニのトマト煮スパゲティとか、本場でもあるのかな。
しかし、スタートは遅くとも一旦定着するとうどんや蕎麦の他に素麺やきしめんなどもある麺類の豊富な日本なので、次々と創意工夫がなされた。
たらこスパゲッティ、明太子スパゲッティ、和風きのこスパゲッティ、名古屋のあんかけスパゲッティは日本でしか食べられなののでは?
そうなると逆も出来る。
つまり、うどんにパスタソースをかける。
ミートソースうどん、カルボナーラうどん。ボンゴレうどんもいけますね。
ただし、蕎麦では駄目でだろう。
以前、京都のおばんざい屋さんに「うどんパスタ」というメニューがあった。その名の通り、うどんにパスタソースをかけて箸で食べるわけである。ただ、これは関東(横浜らしい)に前例があるらしい。私はこれを食べたことがあるし自宅でも作ってみたが、まあ、まあまあ、美味しかった。しかし何かもう一工夫必要な気もした。
そうそう、スープスパゲティというのはうどんから派生したのだろうか?
それともイタリアでもある?
この辺りも奥が深いのである。
(来週に続く)
【言っておきたい古都がある・324】