暦は当たる。その秘密(その3)
~禍福はあざなえる縄のごとし~
さて、先週の続き。
あるお寺の暦により私は昨年1年間「盛運」のお墨付きをいただいた。それで去年はどんな良い事があったか、あるいはなかったかをご報告しているわけだが、既報の通り私は「盛運年の盛運月」である2月にポイントカードのキャッシュバック・キャンペーンに当選して1000円分チャージしてもらった。で、その後はどうなったか?
まず、2月14日。バレンタインデー。ツアーのお客様からチョコレートをもらってウキウキしていたら時間になっても1人来ない。電話しても出ない。
結局、予約1名すっぽかし。盛運の前に暗雲が見える。
2月22日。突如としてFAXが受信中に不具合を起こす。悪戦苦闘の末に無事回復させることが出来たのだが、改めて受信中これまた突如としてインクリボン切れ。全て放り出してヨドバシカメラへ行く。マンションの目の前が近鉄の駅で良かった。これが「盛運」だと感謝しなければならないのか?
2月28日。ツアーを終えてバスで京都駅まで戻ってきて、地下街への階段を下りている最中、ちょっと携帯で確認したいことがあったので、階段を降りてからやればいいのに、ズボラして降りながら携帯を操作しようとして手が滑り、携帯を落としてしまう。階段で弾んだ携帯の蓋が開き、電池が飛び出してしまった。最早これまでか。と思ったものの、すぐに拾って電池を戻して、恐る恐る電源を入れてみると、、、
無事だった! 問題なく回復した!
やはり盛運だ。
が、しかし、本当に盛運なら、あんな所で携帯を落とすこともないと思うのだが。。。
もはや幸運もこれまでか?
【3月】退運
やはり2ヵ月も続けて良いことは無いようで、三月は「退運」である。「運」が「退く」のである。こりゃ、ええ事が続けて起きるわけはないなあ。
ご託宣は
「思い通り進めず、少々忍耐が必要なとき」
「強引になったり諦めて投げ出さないように」
とあった。
ま、どんな月でも「思い通り進めず、少々忍耐が必要なとき」はあるだろう。
「強引になったり諦めて投げ出さないように」というのも、どんなときでも使える。そしてアドバイスは
「じっくり粘る気概があれば相応の成果は期待できる」
というのだが、むむむ、これも「気概がなければ駄目」というより「駄目だったのは気概がなかったから」ということになるのだろうな。だいたい「期待できる」ということは、その「期待が外れる」場合もある、と言う事。つまり、気概があってもアカンときはアカン。
何故「期待は外れる」のかというと、そもそも「期待は外れるもの」だからである。気概があってもなかっても期待は外れることがある。「期待できる」という補償はどこまで本当に期待できるのか分からないのである。
ところでその3月なのだが、私はいきなり大マヌケをしてしまった。
ようするに、あってはならないダブルブッキングをやらかしてしまった。
15年以上ガイドをやっていて、こんなことは初めて。
3月5日の日曜日、午後のコースの集合中、1組(2名)だけ来ない。電話しても出ない。これはアウトかと思ってツアーの移動中(京都駅大階段のエスカレーターを上っていたとき)改めて電話すると繋がったのである。そこで意外な事実が判明。
私はその方の予約を午後4時からの「魔界ナイトウォーク」で受け付けていたのである。
そりゃ、午後2時半に来るわけがない。
で、「二時間ドラマ編」の終るのが午後5時半頃。どう逆立ちしても間に合うわけがない。
どーしょーもないので正直に自分のミスを伝えて「午後6時からでもよろしければ、やらせてもらいます」と言ったら、なんと相手は
「あ、そのほうが有難いです」と答えたではないか!
つまり、その日の夜行バスでお帰りになるので、私のツアー後の時間をどうして潰そうかと考えていた。6時からにしてもらえたら早めの夕食をとって午後9時過ぎ頃にツアーが終わったら、そのまま伏見稲荷からJRで京都駅まで戻ればちょうど良い時間になるので有難いと。
助かった~~~~~~!
ミスをして怒られるかと思ったら感謝された。
やはり盛運の年である。
かくして私はガイド歴初の「1日3コース催行」という驚異のハードスケジュールをこなしたのであった。朝・昼・晩「やれば出来る」というか、「火事場の馬鹿力」というか。
ミスしたのは「退運」でも、問題にならなかったのは「盛運」で、どちらも当たっているのだ。
そしてこの月、さらに悪い事と良い事が続いたのである。
(来週に続く)
【言っておきたい古都がある・224】