暦は当たる。その秘密(その14)
~かくして私の運は尽きた~
去年1年間かけて検証した「暦の運勢は当たるのか」という命題だが、いよいよフィナーレが見えてきた。
1年中「盛運」のはずだった昨年の私に悲運が襲い掛かったのは秋になってからである。枯葉の季節に私の運も散ってしまったらしい。その詳細は前回に記したとおりだが、もうこれ以上はないだろうとタカを括った10月22日、奇しくも時代祭の日であるが、この日の夕方、郵便受けに宅配便の変テコな不在票が入っていた。先週はここで終ったわけだが、その続き。
既報のとおり、その不在票には「301 谷口」と記されているだけで送り主の記載なし、荷物の種類の記載なし、ドライバー受付の貼付もなし、来た時間の記載もなし、問合せ番号もなし、営業所の電話番号もなし。
何にもなし。仕方ないので104に電話をかけてその会社の営業所の番号を尋ねたら、大手だから京都市内のあちこちに営業所がある。しかしまあ、ここは伏見だから伏見営業所だろうと常識的に判断して、番号を教えてもらった。で、営業所に電話すると出た相手が
「?」
の状態で、どうも私の話が理解できないらしい。まあ、相手にとっても想定外の事態なのだろうとは思うのだが、私のほうに「どんな荷物か」とか「急がれますか」とか訊かれても分からない。こっちも分からんから電話しているのである。
なにはともあれ、「すぐに調べて電話する」とのことなので一旦電話を切った。
それが午後6時8分である。
待つ。待つ。待つ。
午後6時42分。電話が掛かってきた。
ドライバーにはまだ連絡が取れないが、私宛の荷物が持ち出されているのは間違いないという。ドライバーと連絡がつけば配達の段取りがつくという。
で、また待つ。
午後6時47分。僅か5分後に電話あり。ドライバーと連絡がついた由。プリンターの故障でラベルが打ち出せなかったという。理由はともかく、午後8時から9時までの間に配達してくれるとのこと。
午後9時ジャスト、まるでタイミングを計っていたかのようにピンポーンと呼び鈴の音。宅配便の若い兄ちゃんが荷物を届けてくれた。受け取ってみると別に必ずしも急いで受け取らなくてもよい物だったのだが、誰からどんな物が送ってきたかも分からなかったのだから兄ちゃんに忙しいことをさせるのも仕方がない。
宅配便の兄ちゃん、ご苦労様でした。私よりこの兄ちゃんのほうが悲運だったかもしれない。
10月29日。午前のツアーが終ってからコンビニでレジュメのコピーを撮った。
とりあえず10枚でいいと、500円硬貨を入れてコピーを撮った。1枚10円で10枚だから100円で、400円のおつりが出るはずなのに確認画面の表示が0円になっているではないか!?
おつりが出ない! 何故だ!!
すぐに店員を呼びつけて「500円入れてコピーを10枚撮ったのにおつりの400円が出ない」と言うと、相手は恐縮してコピー機をあっちこっち調べてくれたのだが原因が分からない。うろたえながら、腹の中では私が本当に500円入れたのかと疑っていたかもしれないが、こっちも引き下がるわけにはいかない。だいたい、こういうときは僅か400円でも物凄く損をした気分になってしまうものなのだ。そしてさらに調べさすと、それまでオタオタしていた店員が急にシャキッとしたではないか。そして私のほうを向くと一言、
「?」
設定画面をよーく見ると、なんとそこには「フルカラー」の設定が!
私は文章だけのレジュメをフルカラーでコピーしていたのである。
それなら1枚50円なので10枚で500円。おつりの出るはずがない。
終った。。。。。
このマヌケな事実が判明したとき、私の脳裏をよぎったものはこの言葉であった。私の盛運は尽きたのである。盛運は星雲となり、混沌の彼方に散って行った。
面目ない。。。。。と、コンビニを後にした私は「恥ずかしさのあまり穴があったら入りたい」状態だったので、横断歩道を渡らずに地下道を通って京都駅の前まで出て、午後のツアーに臨んだのでありました。
(まだまだ来週に続く)
【言っておきたい古都がある・235】