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    家尊人卑(その8)

    ~江戸時代の後家さんは優遇されていた~

     日本は男尊女卑の社会だったのではなく、家尊人卑であったという事実を検証していくこのシリーズもいよいよ町人の社会に締め括りをつける。
     そこで、今回は江戸時代の後家さん、つまり未亡人の立場について見てみよう。


     

     江戸時代には後家さんが死んだ旦那さんの弟と再婚することがあった。それで家の財産を守ったわけだが、では奥さんは無理矢理義理の弟と再婚させられたのだろうか?
     

     井原西鶴の『本朝桜陰比事』巻二第九に、周りの人たちが後家さんと義理の弟を結婚させようとしたのに、

    「後家が虎落者にてなかなか人の指図を合点せず」

    とあり、未亡人にも選ぶ権利があったようである。少なくとも、意に染まぬ再婚は拒否できた。

     同じく井原西鶴の『日本永代蔵』巻一第三に、

    「後家となりしに、後夫となるべきひともなく、ただ有せがれを行くすえの楽しみに」

    とあって、死んだ旦那さんとの間に子供がいても再婚の自由があったのが分かる。
     
     で、後家さんの婿養子になった人は当然のこととして死んだ旦那さんの財産を相続できたが、月尋堂の『子孫大黒柱』巻二第五に、

    「仲人に騙されてお金持ちだと思って後家のところに婿養子に入ったら、前の旦那さんの病気の治療に要した借金だけを相続する羽目になった」

    という話がある。

    ほんちょうおういんひじ【本朝桜陰比事】
    浮世草子 1689年(元禄2)刊
     
     また、資産があったとしても決して自由に使えたわけではなく、先夫の子供がいれば実質的にはその子の後見人という立場であった。「家の財産」を相続するのは婿養子ではなく先夫の子供であったのだ。
     何のことはない、先夫の残したものが資産なら本当に相続するのは先夫の子供で、借金だけを残した場合は婿養子に相続による返済義務が出来た事になる。
     婿どのに返済能力が無ければ分散、つまり自己破産するしかなかった。
     婿養子についてはこの連載「家尊人卑」の5回と6回で詳しく検討したが、とことん辛い立場だったのだな。

     もっとも、前回紹介した「親族会議で選定された相続人」については、残されたものが借金だけ、あるいは債務超過の場合は相続拒否の権利があった。
     負債の相続は拒否できる。これは現代と変わらない。否、現代が江戸時代と変わらないと言ったほうが正確だろう。
     日本は明治維新で文明開化したわけでもなく、昭和の敗戦後に出来た憲法で民主化したわけでもない。もっと昔から「民」に対する配慮はなされていたのであった。

     それにしても、亡夫の弟との再婚を拒否できた奥さんに先夫の借金を引き継がなければならなかった婿養子。

     これが男尊女卑ですか?
     とんでもない。「男尊」でもなければ「女卑」でもない。「家尊人卑」なのである。婿養子の役割は「家」を維持することであった。先夫の子供がいれば、その子が成人して財産を継げるようになるまでのピンチヒッターにすぎないし、子供がなければ跡継ぎを産ませる種豚にすぎなかったと言えよう。

     お気の毒だ。だから「小糠三合あれば養子にはいくな」だったのである。だって「女尊婿養子卑」の生活が待っていたのだから。
     婿養子よりも未亡人のほうが待遇がよかったのではないだろうか。

     ところで、これまでは町人の話だったが、次はいよいよ武家の社会について検証していくことにする。
    (来週につづく)

    【言っておきたい古都がある・283】

     

    谷口年史

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    谷口 年史(たにぐち・としふみ)

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