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    京都ミステリー紀行

    家尊人卑(その1)

    ~江戸時代の日本に男尊女卑はなかった~

     今回から大型新シリーズ「家尊人卑」を始める。
     これは以前フェイスブックにも書いたが、改稿して世に問う。


     

     要するに、「日本がわれわれのイメージにある男尊女卑の国になったのは明治以降であり、江戸時代まではそんなことはなかった」ということと、それでは江戸時代まではどんな時代だったかというと、それは「家尊人卑」であったと。そして明治になってから西洋の男性優位の考え方に影響されて日本型男尊女卑が出来たが、それでも伝統的な「家尊人卑」は残り、この二つが重なり合っていたというのを証明しようという試みである。

     さらに、戦後もこの「家尊人卑」は完全に消えたわけではなく、むしろこれがあったおかげで日本人の共同体意識が確保され、高度成長に繋がったこと、そして現在ではアメリカ式の経営が幅を利かせてその共同体意識が崩れてきているために大企業の製品の質が落ちたり非正規雇用によるワーキングプアの問題が出てきているという所まで話を進められたらいいなあと思っている次第。
     
     そこでまず「江戸時代以前の日本は男尊女卑ではなかった」という話を展開する。
     われわれのイメージにある「男尊女卑」というのは明治以降のもので、江戸時代より前は確かに女性の地位は男性よりも低かったかもしれないが、決して卑しめられていたわけではなかった。女性には女性としての社会的な役割が求められており、その役割は政治や戦争にも及んでいたのであって、時として一定の職務権限が与えられ、男性よりも強い発言力が持てたこともある。故に江戸期以前の日本は男尊女卑だったという考えは通用しない、というお話をさせていただく。

     この連載でも昔の離婚について書いたが、それをおさらいしておこう。

    ◎江戸時代、旦那さんが奥さんに「三行半(みくだりはん)」を渡しただけでは離婚は成立しなかった。奥さんのほうから「返し一札」という三行半の受取証をもらって初めて離婚が成立した。つまり、奥さんのほうが離婚したくなければ返し一札を書かなければ良かった。

    ◎室町時代、何の落ち度もないのに旦那さんから一方的に離婚された奥さんは、実家に帰るときに旦那さんの家の中にあるものを(奥さんの手に持てる物であれば)好きなだけ持ち帰ってよかった。つまり、一方的な離婚の仕返しに旦那さんの家をスッカラカンに出来た。

     このように今風に言えば決して「女性の権利」が蔑ろにされていたわけではない。あくまでも「離婚の手続きは旦那の側からやる」ということで、「奥さんの泣き寝入り」が当たり前なんて事はなかった。

     それでは、何故「返し一札」の事実が長らく無視されていたのか?

     それは男の側に責任がある。

     だいたい女の人は几帳面というか、しっかりしているというか、貰った三行半を大事に残しておく。ところが、男のほうは最初はちゃんと持っていても基本的にルーズだからいつの間にかなくしてしまう。そんなわけで三行半は現代まで残り、返し一札はあまり残っていない。
     ここから「三行半を渡すだけで離婚できた」という誤解が生じたのだと思う。
     
     男性諸君! 大事な書類はちゃんと保管しようね。自戒も込めて言っておく。
     
     さて、ここで「江戸時代の離婚というのは旦那さんが奥さんに三行半(みくだりはん)を渡し、奥さんが旦那さんに返し一札を渡して成立した。要するにお互いが離婚の合意書を取り交わして初めて成立した」という話を確認した。

     この「離婚の合意書を取り交わす」というのは重要で、これがなければ男女とも再婚できなかったわけである。

     徳川幕府の御定書百箇条の第48条に

    「離別状(三行半の正式な名称)を渡さずに後妻をもらったら所払(ところばらい)」
    「離別状をもらわずに他家に嫁に行けば髪の毛を剃り落として親元へ返す」

    という規定がある。
     さてこの時、奥さんは三行半を持っていれば好きな時に再婚できるが、旦那さんはただ三行半を渡しただけでは正式な手続きを踏んで離婚したという事を証明するものが何ないことになる。「三行半を渡した」ということを証明するためにも奥さんから三行半の受取証を貰う必要があった。
     江戸時代は決して男尊女卑ではなかったのだ。

     ところで、この徳川の法律だが、三行半の取り交わし無しに再婚すれば男女とも罪になった。
     江戸時代が本当に男尊女卑であれば、奥さんが再婚するには三行半が必要だが旦那さんが再婚するのは全く自由でなければおかしい。
     しかし、離婚の証明無しに再婚すれば男女とも仲良く罪になった。これのどこが男尊女卑ですか?

     しかも正式に離婚せずに再婚した(つまり重婚した)場合、奥さんの罰は髪を剃り落として、つまり丸坊主にして強制的に実家へ帰すというものである。
     髪の毛なんて放っておけばまた生えてくる。特に悪影響はないのではないか。

     しかし男の場合は所払ですよ。所払。
     住んでる所から追放されてしまう。
     これって、厳しすぎませんか?
     男も丸坊主でエエやないか。

     こんなの不公平ではありませんか。男尊女卑ではなく女尊男卑ではないのか。
     もっとも、男尊女卑だからこそ偉い男性のほうが重い罪に問われる、というのもそれなりの合理性はあるだろう。
     それに所払なら引っ越せば済む話やないかと言えばそれまでですが。
     刑罰全体から見ると所払というのは下から二番目の軽さだが、とはいえ法律にある正式な罪だから前科がついたはずだろう。

     少なくとも現代の感覚では同じことをしても女のほうが罪が軽いやんか。

     これのどこが男尊女卑やねん?

    (来週に続く)

    【言っておきたい古都がある・276】

     

    谷口年史

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    谷口 年史(たにぐち・としふみ)

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