漢字ミュージアムに行ってきた(前編)
~面白さとツッコミどころ満載の新施設~
この6月29日に漢字ミュージアムが開館した。
数年前、理事長父子による不祥事で有名になった漢字能力検定協会が起死回生か、あるいは名誉挽回が知らないが、弥栄中学校の跡地に建てた漢字専門の博物館である。八坂神社の近くという地の利もあり、私としては期待していたのである。
オープンから数日後、どんなものかと行ってみたのだが、表の看板を見ていきなり「なんじゃ、こりゃ~」状態になってしまった。
NIPPONで初めての
と書いてある。
漢字ミュージアムは自分の国の名前を漢字で書きたくないのか?
エントランスは中々立派である。入ってすぐ左に祇園祭の特設ギャラリーがあった。季節柄こうなのか、それとも常設なのか、良く分からない。しかし、実物大の鉾が展示されていたので常設かもしれない。メダル(もちろん祇園祭の)を作る機械もあったし。
ここで「おおーっ!」と思ったのは、屏風の形をしたモニターに動画が映されていたこと。これはアイデアだ。祇園祭の巡行を描いた屏風は沢山あるのだろうが、屏風の中で巡行する鉾や山がちゃんと動いているのは他にはない。これは話の種に見ておく価値あり。
しかも、ここは無料である!
祇園祭のギャラリーと関連商品の売り場はタダで入れる。
さて、いよいよ大枚800円を払って入館する。受付のお姉さんがチケットと体験シートと鉛筆をくれた。この鉛筆、
「ようこそかんじはくぶつかんへ」
と書いてあるようだ。
入れば毎年清水寺で発表される「今年の漢字」が展示されているのだが、私はそれよりエレベーターに驚いた。漢字で埋め尽くされているのである。
「うむ。流石は漢字ミュージアム」と思ってしまった。
さて、1階の展示だが、ちょっとインパクトに欠けるか。パネルで延々と説明が続くのだが、あれをすべて読む人はいないだろう。
当日はあまり時間がなかったこともあり、ウダウダと続く文章を読むのは止め、体験シートに挑戦した。
01 甲骨文字占い
02 金印スタンプ
03 万葉仮名で名前をつくろう
04 「もとの字」スタンプ
05 漢字で国名 この国、どう書く?
の五つの体験ができるのだが。。。
最初の甲骨文字占い以外は対して面白くない。だいたい最後は外国の国名を漢字でどう書くか、という体験なのだが
表の看板にNIPPONではなく日本と書け!
と言いたい。
自分の国の名前をローマ字で書いて、よその国の名前を「漢字でどう書くのでしょうか~」なんて、ふざけてないか?
ところで私の甲骨文字占いなのだが、シートを擦って出てきた漢字は「光」であった。その下には「きれいな光につつまれるよ」とある。
私は極楽往生できるということか?
しかし、慌てて行きたくもない。
光につつまれなくてもいいから、まだこの世にいたいと思う。
さてさて、2階に行ってみると漢字図書館のスペースがある。
だが、この体たらくは何だ!
棚がガラ空きではないか。こんな貧相な図書館があるか?
これはあんまりだと思うぞ。
しかしまあ、2階には中々面白い遊び場もあった。それは来週に紹介しよう。
【言っておきたい古都がある・193】