これからの漢字ミュージアム
~リピーターを摑むことが出来るか~
図らずも漢字ミュージアムのネタが続いてしまった。
とにかく表の看板に「NIPPON」と書いてあっただけで「漢字ミュージアムは自分の国の名を漢字で書くのが嫌なのか」と思った、その第一印象が悪いのでこの施設を揶揄することを多く書いたものだから、今後に期待することも書こうと思う。
前回も書いたように次代を担う小学生を狙え、というのはわりと真面目に書いた意見で、ここから啓蒙していくべきなのだが、漢字ミュージアムのホームページに
障がい者
という表記が使われていた。
「障がい者」とは何ぞや?
確かに、いつの頃からか「障害者」と「害」の字を使うのは「害のある人間みたいだ」という批判があるとかで、新聞などでも「障がい者」というヘンテコな表記を見るのだが、そもそもこれは
障碍者
と書くのが正しい。
「障害」なら「邪魔になる」という意味になるけど「障碍」ならまだ「正常な機能を失っている」という意味にもなり、「害」にはならない。
かつて「碍」の字が当用漢字から外れたため、仕方なしに「害」の字を当てたわけだ。
漢字ミュージアムなら正しく「障碍者」と書いて啓蒙しろ!
と言いたい。
こういうところで鼎の軽重を問われるのだ。
実際に入館した日は私の午後の予定との兼ね合いもあって一部パスしたブースもあった。それらは確かに「漢字を見せる」仕掛けには違いないのだが、先に人が使っていたら順番を待つのが結構わずらわしい。ひょっとしたら沢山の人で溢れかえるという想定はしていないのかもしれない。
それと、ブースを外から見ただけではあまり魅力が伝わってこなかった。
さらに帰宅してから「?」と思ったこと。
企画展がないのか!?
普通、こういう「ミュージアム」では常設展と企画展の二本立てである。一体どうなってるのか、と漢字ミュージアムのホームページを見てみたら、何と
あの漢字縁日が企画展だった!
これには驚いた。
確かに、私は「小学生を狙え」と提言したのだが、そもそも漢字ミュージアムは子供向けの施設だったのかもしれない。これは私の不明だったかも。
ただし、「漢字縁日」の後の企画はまだ決まっていないようである。
大丈夫か? 新しく出来たミュージアムの企画展なんて、あらかじめいくつかは決めておくべきものだろう。
ホームページによると、「定期ワークショップ」までも予定が決まっていない。これは企画展云々以上に悪いのではないか。
定期ワークショップも1年分は決めておいて、連続して申し込んだ人にはミュージアムの入館料大幅割引とか、特典の付与があるようにせねば。
企画展も定期ワークショップもアイデアが出ていないというのは、理念が定まっていないのではないか。これではここの学芸員の論文の紀要はちゃんと出るのか心配になってくるぞ。
ミュージアムの裏側の位置に新しい漢字能力検定協会のビルが建っている。内部がどうなっているのか知らないが、ちゃんと研究の場にもなっていると思いたい。
これからの漢字ミュージアムのために必要な理念はひとつだと思う。
ここに来れば漢字の事なら何でも分かる。
これでこそ漢字ミュージアムだろう。
【言っておきたい古都がある・196】