ヘビがニョロニョロ(その7)
~噓か誠かヘビ料理~
ヘビを食べる。蛇の肉や皮を食用にする地域がある。ホンマかいな?
中国の広東省や広西チワン族自治区では毒蛇を含む蛇の料理を伝統的に食べている他、今では他の省でも料理を出す店が増えている由。
有名(?)なのは蛇スープで、あっさりした美味とタンパク質などの栄養分で珍重されるとか。肉は他に唐揚げや鍋料理の具にも用いられる。鱗を取った皮も湯引きにして、酢や醤油で味付けして食べたり、油で揚げて食べたりする。
中国人は机と椅子以外の四つ足は全て食べると言わているが、足のないものまで食べるのだな。
唐揚げというのは、正体さえ明かされなければ、何となく食べられそうである。皮にしても河豚や鱧の皮は食べるわけだから、それと同じ流れで考えれば大丈夫だろうとは思う。しかしスープは?
中国ではサソリも食べるというから、ヘビぐらい何とでもないのかな。
さらに、あくまでも聞いた話で事実かどうかは知らないが、陸上自衛隊のレンジャー訓練を初め、陸軍における遊撃戦要員を養成する訓練の多くでは作戦行動中に食糧が尽きた場合を想定し、教育の一環として用意されている蛇を調理して食べることがあるらしい。
これも「いかにもありそう」な話。本当に食べているのかどうかは知らない。
ただ、戦時中に南方の戦地を体験した人の話で、あるとき上官と二人で斥候に出たときヘビを見つけた。捕まえて二人だけの内緒にしてそのヘビを食べたら、そのあとで物凄い腹痛と下痢に見舞われたそうである。
今の自衛隊では「正しい調理法」を教えているのか。。。
しかし、ちょっと信じられないのは「日本にも蛇飯を炊いて食べる地域がある」という情報。
ホンマかいな?
蛇飯なんて本当にあるのか?
そこで荻生徂徠『飛騨の山』にある話。
筑紫まで下ると、蛇を常食とする村がある。
旅人の舟が停泊するのを見るや、村人は争って駆けつけ、米のとぎ汁と米ぬかを貰っていく。蛇の調理に使うためだ。
蛇はふだん地面の穴に飼っておき、朝夕の食事に、鍋に入れて煮る。
鍋の蓋に小さい孔が幾つも開けてあって、蛇が煮られる苦しさに無理やり頭を出すと、それを掴んで引っ張る。すると骨が頭とともに抜け出て、肉だけ鍋の中に残る。
鍋に残った肉を、さらに米ぬかととぎ汁で煮込む。
頭と骨はもとの穴に捨てる。月日を経てまた肉がつき、元どおりの蛇になる。それを何度も喰うのだ。
あるか、そんなもん。
これは荻生徂徠による「珍談・奇談」の紹介である。事実ではない。
蛇飯というのは、どうやら「幻のドジョウ鍋」と同じで実際にはない料理なのだ。
「ドジョウ鍋伝説」は有名。
豆腐をグラグラと煮やした鍋に生きたドジョウを放り込む。ドジョウは熱いので豆腐の中に潜り込む。そのまま煮られてしまうと。
ありえへん。
ドジョウは熱ければ鍋の外に飛び出します。
それにしても、いくらなんでも日本でヘビは普通は食わないだろう。。。と思ったら、アッと思った。
マムシを食べる!!!
あ、毒蛇ではありません。
関西ではウナギ丼をマムシと言いますので。
これなら美味しいです。私も大好き。
(来週に続く)
【言っておきたい古都がある・438】