ガラパゴス礼賛
~変わらぬものが一番強い~
私はガラケーを使っている。そして私の周りの人たちはスマホを使っている。私も今使っている携帯が壊れたら次はスマホしか仕方ないだろうと思っていたのである。これも時の流れだ。
ただ、ガラケーの「ケー」は「携帯」のことだとすぐに分かるが、「ガラ」というのが何か、さっぱり分からなかったのである。オペラには「ガラコンサート」というのがあるが。。。
それを解決してくれたのがこのサイトに寄稿している伊勢屋平兵衛さんの記事。
「ガラ」とは「ガラパゴス」だと教えてもらった。
おお、ガラパゴスか!
これが分かったとき、私は「次もガラケーでいこう!」と決めたのである。
ガラパゴスというのは、あの、イグアナもいればゾウガメもいる島ではないか。時代を超越しているぞ。
だいたい、スマホなんてそんなに良いのか?
私は過去2年ほど、スマホに関して色々なことを聞いてきた。
曰く、アプリが落ちた。
曰く、データが飛んだ。
曰く、ちょっと落としたら画面がヒビだらけになった。
曰く、突然画面が真っ黒になった。
曰く、何トカをインストールしたら保存してあった写真やら何やらが全て消えた。
何やら便利らしいがわけの分からないものを取り込むと保存データが消えるというのは(誰も読まないであろう)規約に書いてあるはずである。
ちなみに私は一度だけ読んだことがあるが、中々どうして、相手に有利なことばかりが書いてあった。
私がパソコンを使うときのポリシーは「いらん事せんとこ~」というものである。これは正しいと確信している。
スマホで笑うのは極めつけの問題点。
電池がすぐに切れる。
便利だ便利だと言いながら、これが一番不便なのではないか。
参考までに申し上げると、私は手帳派である。大切なことは手帳に書き留める。
手帳は良いですよ。落としても割れないし、電池が切れる心配もないし。
だいたい、ガラパゴスを嘲笑っている連中がビットコインとかいうものが消えたのどうのと慌てているのではないか。
電子情報技術産業協会が3月11日に発表した国内メーカーによる1月の携帯電話出荷台数はスマホが0.5%増の92万4,000台であったのに対し、ガラケーは16.4%増の109万1000台であり、5ヶ月連続で前年を上回ったのであった。
ガラケーは売れているのだ。
だいたい、どんなに機能がたくさんついていても、使わへんぞ。
それに、今まで「これはもうダメだ」と言われて、本当になくなったものがあるか?
テレビが普及してラジオや新聞はもう古いといわれたが、ちゃんと残っている。
ワープロが普及しても筆記用具はなくなっていない。
電子メールのやり取りで郵便はいらないとか、ペイパーレス社会とか言われたが、そうはなっていない。
カードが普及して現金を持ち歩かなくてもよいから財布は不要になると言われたが、一般にはまだ財布に現金を持ち歩くのが普通である。
しかも財布というのはお金ではなくカードを入れる道具と化しいてる場合が多い。
お金がいっぱい詰まることのなかった庶民の財布でも、カードはいっぱい詰まるのである。
これが便利な進歩なのか。
ツイッターやフェイスブックなど20年後にはなくなっているだろう。しかしガラパゴス島の生き物は残る。文明が滅んでも彼らは生き残る。
生き残ったら勝ちなのである。
そこで私は提唱したい。
京都ガラパゴス化計画。
京都をガラパゴスにしよう。
時代に取り残されるのではなく、飛ぶように進んでいく事象を覚めた眼で眺めて微笑するのである。
現れては消える泡沫ファッションを温かく見守りながら、永久不変・万代不易の時間を過ごそうではないか。
先頭を走っているつもりが一周遅れていた、というオチは昔からある。
しかし、二周、三周と遅れていたらどうなるだろうか。
先頭を走る者は、どんなに後続を引き離しても、常に自分の前に京都が現れるのを眼にして愕然とするだろう。
ガラパゴス。それは最先端を行く者の前に立ちはだかる真の勝利者である。だって、突っ走っている者たちが疲れ果てて倒れても、ガラパゴスの歩みは止まらないから。
【言っておきたい古都がある・77】