怪異のカエルはガマガエル(その2)
~蝦蟇の相棒は亀だった?~
本当に恐ろしいのかどうか、よく分らないカエルの化け物の話。
江戸時代のこと、伏見稲荷の北のほうに喜衛門さんというお百姓さんがいた。この喜衛門さんが藤森の知人を訪ねた帰り道、怪しげな2人の法師と出会ったのである。
ほろ酔い機嫌の喜衛門さんがそれとなくやり過ごそうとすると、相手2人は突然つかみかかって来て、何と喜衛門さんを霞谷に拉致してしまったのだ。
洞穴に閉じ込められた喜衛門さん、2人の法師が居眠りをした隙に穴を出ると、傍にあった鍬で2人を殴りつけ逃げ出した。
家に帰ると近所の人たちが喜衛門さんを探しに出ようとするところだった。出来事の一部始終を聞いた近所の人が「それは霞谷の化け物に違いない」というので、みんなで洞窟へ行ってみた。
すると、30センチほどの大きさのガマガエルとカメがひっくり返っていた由。
『狗張子』に収録されているエピソードである。
2匹とも一種の妖怪だろうが、何の意味もなく人間を拉致した挙句、アッサリとやられてしまっている。
単なるマヌケか。
それと今回、ガマガエルの相棒はカメである。どういう意味のある組み合わせなのかしらん。
で、カメの怪物といえば、ご存じ(ですか?)大怪獣ガメラ。
昭和ガメラの最初の2作「大怪獣ガメラ」と「ガメラ対バルゴン」はちゃんとした(?)怪獣映画だったが、3作目の「ガメラ対ギャオス」から変に「お子様向け」の部分が入ってきて、それがちょっと鼻につくようになった。でも脚本はしっかりしていてクライマックスでガメラはバルゴンを琵琶湖に沈め、ギャオスを火山に引きずり込む。
平成ガメラの第3作「邪神覚醒」のクライマックスでは大怪獣ガメラと邪神イリスが何と京都駅で対決。西部劇の最後でガンマンがやるような決闘になり、京都駅が吹き飛ぶのだが、これも当時ようやく建て替えられた新しい京都駅を舞台に使った面白い趣向だった。
で、この「邪神覚醒」だが、後に誰もが知ってる大女優になる女の子がチョイ役で出ている。後年の有名人がどこに出てきてどうなるか、探してみるのも一興だが、最近のDVDではパッケージに名前が出てしまっているかもしれない。
さて、ガマガエルの話がカメの話になってしまったが、大阪の人なら「カメへん、カメへん」と許してくださるのではないだろうか。他府県の人は呆れカエルかも。
と、いうわけで、ガマガエルの話は来週もう一度続けます。
【言っておきたい古都がある・417】