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    伏見の寺田屋(その4)

    「オイごと刺せ」の真相?

     さてさて、「オイごと刺せ」ですっかり有名になった寺田屋事件であるが、前回も少し書いたようにツッコミどころもある。

     

     まずは「有馬新七の刀が折れた」という点。

     時代劇ではたまに刀の折れるシーンが出てくるが、日本刀は折れない。
     そんなに丈夫なのかと思った人は誤解で、じつは丈夫でもない。ではどうなるかというと、

     日本刀は曲がるのである。

     ご存知のように日本刀は真っ赤に焼いた鉄を刀匠がハンマーで叩いて延ばす。だから大変粘り強く、そう簡単に折れたりはしない。

     これが溶かした鉄を型に流し込んで固めるタイプだと折れてしまう。

     では何故「有馬の刀が折れた」とされたのか。

     考えられるのは「折れた」のではなく「抜けた」のだろうということ。
     漢字が似ているのでパッと見たら分りにくいかもしれないが、スポンと抜けたのですね。
     どこから抜けたかと言うと柄から。

     日本刀の致命的な欠点は刀身と握り柄が分離している事。それを目釘というちゃちな釘で固定しているのに過ぎない。故に時代劇でやるように刀をチャリーンと打ち合わせれば、目釘が折れて鍔元がガタガタタになってしまう。なので有馬の刀は目釘が折れて安定性がなくなり、そのまま勢いで柄から抜けてしまったのではないか。
     これが真相だろう。
     抜けた刀身がどこへ飛んでいったのか知らないが、怖かっただろうな、あんなものが飛んできたら。

    乾 犬吉 作・人形用刀剣
    http://trico2007.web.fc2.com/

     余談だが、有名な(といっても今では知らない人が多いのかもしれないが)荒木又右衛門の鍵屋の辻の仇討ちでも、又右衛門の刀が折れたとされているが、私はそれも刀身が柄から抜けてしまったのだと思う。

     さて、刀身が抜けてしまった時、有馬は「あっ」と思っただろう。じっとしていては斬られるから思わず相手に抱きつきに行った。丸腰で、しかも狭い場所で逃げ場もないとなると、相手の太刀から逃れるには相手に抱きつきに行くのが一番安全ではないか。
     そして、この状態で「オイごと刺せ」などと言えるだろうか?

     刀を失った有馬新七に懐に飛び込まれてしまった道島五郎兵衛だが、道島の刀はどうなったのか。
     自分に抱きついてる相手を斬る事は出来ない。有馬も死に物狂いだから、かなりの力を出していたと考えられる。結局、もみ合いの中で刀を放してしまったのではないだろうか。
     両者ともこれだけで必死のはずなので周りのことなど分かるものか?
     階段を下りてきた橋口吉之丞に「オイごと刺せ」なんて言えるものか?
     普通は「助けてくれ」と言う。
     まあ有馬は勇猛な武士だったから「助けて」なんて言わなかったかも、だが。

     一歩譲って、「オイごと刺せ」と言ったとしよう。

     日本刀で人間2人の身体を刺し貫くなんて出来るか?
     一人串刺しにして、体の反対側から出てきた刀身で二人目を貫くわけである。
     出来るか?
     無理ではないか?

     しかも一気に(つまりアッという間に)2人とも串刺しにしなければならない。
     有馬が道島を壁に押さえつけているわけだから、最初に刺されるのは有馬である。そして二人目を指すためには刀をそれこそ鍔元まで身体に刺していかねばならない。突き刺すのは簡単でも、それほど深く刀身を人間の身体に通るか。肉と脂で物凄い抵抗があるはずだ。貫通させる事は出来ても刀身に勢いはなくなっているのではないか。
     それなら道島には逃げるチャンスもあったのではないか。

     それが有馬・道島ともに死んでいるとすれば、考えられるのは橋口吉之丞は「刺してはいない」というもの。
     じゃあどうしたのかというと、普通に斬ったのではないかなと。

     二階から降りてきてみたら大殺陣になっている。訳も分らず何か言葉を飛ばした有馬を斬ってしまい、さらに丸腰になっていた道島も斬ってしまったと。
     うろたえたら敵も味方も分らない。
     「オイごと刺せ」の真相は大混乱の中での同士討ちだったのではないか。
     本当に人間二人を刀で刺し貫いたとしたら、その刀はどうやって死体から抜いたのだろうか。そう簡単に抜けるものではない。

     ここで、ちょっと情けないかもしれない新解釈をする。

     有馬新七は「刺せ」とは言ったが「オイごと」とは言わなかった。

     状況はご存知の通り、有馬が道島を壁に押さえつけている。この体勢で道島だけを倒すには横から道島を刺すしかない。
     しかし橋口吉之丞は二人まとめて串刺しにしてしまった。
     有馬はまさか自分まで刺されるとは想定外だった。

     有馬新七も本当は誰かに加勢してもらって助かりたかったのではないかな、と思ったりするわけである。

     事件の後、奈良原喜八郎たちは藩から事情聴取を受けている。それによって我々も寺田屋で何があったかが分るわけだが、戦いの基本は4対9で奈良原たちが有利である。しかも田中謙助と柴山愛次郎は抜き討ちで斬られているし、有馬新七は道島五郎兵衛を壁に押さえつけたから、残る橋口伝蔵を8人で相手にしたことになる。
     1人に8人でかかるわけだから楽勝かと思いきや、橋口は善戦しているのだ。
     いくら相手が1人でも、飛び跳ねながら刀を振り回したら怖いですよ~。絶対に怖い。8人がかりでも怖くて迂闊には近づけるものではない。相当な迫力だっただろうと思う。
     
     そこにたまたま橋口吉之丞が降りて来た。
     ビックリしたでしょうね。
     有馬は道島を壁に押さえつけたもののそれ以上はどうしようもなかった。放っておけば逆転されるかもしれない。
     ふと気づくと、橋口吉之丞が階段を降りて来ているではないか。
     有馬は「これで助かった」と思った。

     惨状に呆然としている吉之丞に「おい!」と声を掛けた。
     壁に押さえつけている道島を倒すには真横から刺すしかない。そのぐらいは吉之丞にも分るだろうと思った有馬は吉之丞に道島を

    「「刺せっ!」

    と叫んだのである。

     しかし、生まれて初めて見る凄惨な場面に吉之丞の頭の中はまっ白。そのままなら放心状態になったのだろうが、なまじ有馬から声を掛けられたために体が反応してしまった。
     自分も殺されるかもしれないという恐怖でパニックになった吉之丞は暴れまわる橋口と奈良原ら8人のほうではなく、丸腰のまま壁でもつれ合っている有馬と道島に(つまり、より安全なほうに)錯乱状態で斬りつけた。

     かくして有馬と道島は討たれたのである。

     「オイごと刺せ」の真相は、吉之丞に呼びかけて道島を倒そうとした「おい! 刺せっ!」であった。

     これはパロディではなく、真実かもしれないのだ。

     まあ真偽はともかく、「有馬が吉之丞の刀にかかって死んだ」というのは否定の仕様がない事実なのだろう。混乱の中での同士討ちという不都合な真実を取り繕うために「オイごと刺せ」という伝説が生まれた。これが身もフタもない歴史の真相なのではないのかな。
    (来週に続く)

    【言っておきたい古都がある・271】

     

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