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    京都ミステリー紀行

    仏の迷い道(その16)

    ~当意即妙、これぞ名僧~

     今までは江戸時代の笑話集『きのふはけふの物語』をネタ本にしてお坊さんを揶揄する話を中心に見てきたが、何と(何と何と)この本にはお坊さんの中にも立派な人がいるという話も収録されていたのである。
     悪い女に引っ掛かって濡れ衣を着せられかけた坊さんがどのようにしてその危機を脱したか。
     「下(拾遺)の5」にあるエピソードから。

     ある老僧が街を歩いていると突然見知らぬ女が僧の衣の裾にすがり付いて泣き出した。これはどうしたことかと老僧が女に尋ねると、あろうことかその女は泣きながら

    「それはあんまりです。私を妾にしておきながらお手当ても寄こさないくせに。こんなことなら容姿が綺麗なうちに妾としての縁を切ってくれれば私もまだ別の男と縁付くことが出来るのに、放っておくなんて、あまりに酷いじゃありませんか」

    と訴えた。老僧はこんな女は知らないので色々と弁明しても女は衣を摑んで離そうとしない。
     周りに集まった野次馬たちが「それは坊さんのほうが悪い」と囃し立てるものだから女は益々図に乗り、逃がすものかとばかりに衣の裾を摑んでいる。
     とうとう「これではいつまでも埒が開かないから」と老僧を奉行所へ引き立てていった。
     まず女が訴えたあと、この老僧は奉行に出家の身でそのようなことをすることはないと申し立てた上で、

    「自分は子供の頃、悪い病気で一物が萎えてしまった。だからほんの一寸(約3センチ)ほどの持ち物でしかないのだ」

    と反論した。それを聞いた女は

    「そのお粗末なチン○でやりよった」

    と強弁する。
     奉行も困ったのか、老僧に

    「とにかく、御坊の一物を見せてもらおう」

    と要求。老僧も「恥ずかしいがお見せしよう」と衣をまくって股間のものを見せると、そこにぶら下がっているのはお粗末どころか、八寸はあろうかという巨砲であった。
     これで女の嘘がばれてしまったんだとさ。

     誘導尋問で相手の失言を引き出す。そして窮地を脱した老僧の機転こそ、名僧の名僧たる所以だろう。
     しかし、この女も坊さんをカモにしようと狙ったあたり、そんなことをしても周りの人たちが信じるだろうと踏んでいるわけで、「坊主も妾ぐらい持つ」という共通の認識があったわけだ。「やった事」を証明するのは出来るけれど、「やっていない事」を証明するのは困難である。これは今も昔も変わらない。
     私は京都の伏見に住んでいるが、つい先ごろ、地元選出の若い代議士が美人局に引っ掛かって(と私は判断しているのだが)あえなく退場した。彼にもこの老僧のような知恵があれば、もう少しマシな結末が待っていたかもしれない。もっとも老僧とは違って、一応やってたみたいだからあまり変わらなかったもしれないけど。
     しかしまあ、女性の一方的な告発を周りのものが面白がって信じるというのも、江戸時代も現代も同じなのである。仕掛けるほうが賢いということか。

     現代でも電車の中でやってもいない痴漢行為を告発される男性がいる。江戸時代にも同じことがあったと思うと、人の世というのは数百年ぐらいでは変わらないということなのだろう。否、数千年でも変わらないかもしれない。
     (来週に続く)

    【言っておきたい古都がある・176】

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