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    京都ミステリー紀行

    仏の迷い道(その15)

    ~やはり煩悩は下半身に宿ることの証明~

     江戸時代の笑話集『きのふはけふの物語』に基づいてその当時の世間の様子(というよりは坊さんたちの様子)を垣間見るどころか、かなり露骨に見てきたこのシリーズも最終コーナーに入ってますます過激になってきているみたいである。(自分で書いていて「みたい」も無いものなのだが)
     先日、このような話ばかり続けるのは筆者である私自身が「このようなもの」が好きだからではないかというコメントをいただいた。きのふはけふの物語表紙
     いえいえ、そんなことはありません。「このような話」がこのようにたくさん作られているということは、江戸時代には「このようなこと」が好きな坊さんたちがたくさんいて、民衆もそれを良く知っていたということ。そして「そんなこと」は大っぴらには言えないので、「文学作品」の形を取って言っていたと。
     そこで今回も古典文学(この本は岩波書店の日本古典文学大系『江戸笑話集』に収録されている)『きのふはけふの物語』からユニークなエピソードをご紹介しよう。
     「下の58」にあるお話。

     ある坊さんが傾城街を通りかかると遊女に袖を引かれた。坊さんは声を荒げて

    「私は5歳か6歳の頃から仏門に入り、女には触ったこともない。離せ」

    と相手を退けた。すると遊女は

    「それはごもっともですが、お坊様方は若衆を用いられますでしょう。それ(尻の穴)ならよろしいのでしたら、私もアソコ(女陰)ではなくそこ(尻の穴)で御用を務めましょう」

    と答えた。すると坊さんは

    「それならよろしい。それでお布施はいかほどお渡しすれば良いのかの」

    と言ったので遊女は

    「さて表向きの御用は私たちも好きでやってますのでお気持ちだけで良いのですが、搦め手(裏口)からの出入りはご無理を聞くことになりますので、少しお高くなります」

    と値段を上げてきた。そこで坊さんの曰く

    「いやいや、貧僧であり老体でもありますので搦め手の難所は攻め難い。大手(正面)から正攻法で一槍突きましょうぞ」

     中々味わい深い会話である。
     結局やるのである。
     女犯は禁断だが男とやるのは普通だから、女相手でも男のときに使う穴を使えば問題無いというのは発想の転換である。常識にとらわれない物の考え方というのは現代のビジネスにも通じるのではないか。特別なサービスなのだから値段も割高になるというのも現代と同じである。
     しかし、そこでこの坊さん、割増料金が必要と分かったとたんに「通常のサービス」のほうへリクエストを変えたわけだが、アンタは子供の頃から仏門に入って女なんて触れたこともないのではなかったのか。
     結局やっていたのである。
     
     もうひとつ、ここでは「搦め手」「大手」という基本的には軍事用語になる言葉が使われている。このあたり、江戸時代は軍事オタクが多かったのかと思ってしまいそうだが、「太平記読み」などの芸人によって戦記物の朗読を聴くのがごく普通の娯楽であったから戦争に関する言葉も一般的な知識の内だったのだ。
     軍記物が娯楽として広く親しまれていたというのは、その時代が平和だったから。平和だからこそ戦争が娯楽になるのである。

     そして坊さんを揶揄する話に下半身ネタが多いのも、民衆が僧侶に対してどのような部分で一番潔癖なものを求めているかということの証明なのである。

    (来週に続く)

    【言っておきたい古都がある・175】

    付録
    『きのふはけふの物語』
    下の58

     ある出家、傾城町を通る。
    上臈袖にとりつく。
    「是は何事ぞ。此僧は五つや六つより佛の體に身をなして、女人のてから物をもとりかはさぬに、離し給へ」と、あらなげに申されける。
    傾城聞て、「御もつともにて候。さりながら、無理なる事は申まい。まづ御出家は若衆をもちひ給ふよし、聞き及びて候。我らにもおにやけを御用にたち申べし」といふ。
    坊主聞て、「それは耳よりに候。さて、お布施はいかほどぞ」と問へば、「その事にて候。表向きは我我もすきの道にて候へば、いかやうにも御意次第にて候。搦手は無理にたしなみ申ゆへ、ちと高直に御座候」と云。
    坊主の曰く、「御覽候ごとく、貧僧と申、老體にて、搦手の難所、不案内にてはかなひ申まじ。たゞ大手にて一槍まひらう」とて、やがてものせられた。

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