「大根焚き」は京の冬を告げる
朝夕の寒さが身に浸みてきた。
本との冬の底冷えはこんなものじゃない事はわかっているが冷えてきた。
勢い、鍋物が食卓を賑わしている。
この時期、鍋は鍋でも、大かまどに大鍋をかける「大根焚き(だいこだき」は見逃せない。
「大根焚き」は京の冬を告げる風物詩の筆頭である。
京都では、“大根”を「だいこ」と呼ぶことから、今昔「だいこだき」と呼び習わしている。
おりしも、市内の二ヶ所の寺院で賞味できる。千本釈迦堂と了徳寺である。
だいこだきの由来は、それぞれお釈迦さんと親鸞さんと違うが、向う厳冬の病封じのご利益を祈るのは同様である。
左が千本釈迦堂の聖護院大根で、右が了徳寺の篠大根である。
古来より大根はハレの日の食物で、神への供え物とされている。
とりわけ冬の大根はビタミン不足を補う野菜のひとつである。
根には水分ばかりと思いきや、ブドウ糖・果糖・ビタミンCが、葉にはビタミンCビタミンAが豊富に含まれている。
それはどの種の大根も同じである。栄養を補い美味しく頂くだけなら、他にいただく場所はいくらでもある。お家でするおでんでも大根が入っている。
しかし、こうはいかない。
だいこ炊きではない。
薪の火に、みんなの祈りや願いが注入されての「だいこ焚き」だと思う。
この寒気の中、大鍋からあがる湯気に癒され、庶民信仰の歴史に息づく人懐こさに接し、
熱々の「だいこだき」を召し上がれ。
千本釈迦堂~千本の大根焚き2013~
開催場所:大報恩寺(千本釈迦堂)京都市上京区五辻通六軒町西入ル
開催日時:2013/12/07~2013/12/8 成道会法要は8日
お問合せ:075-461-5973
了徳寺~鳴滝の大根焚き2013~
開催場所:了徳寺 京都市右京区鳴滝本町83
開催日時:2013/12/09~2013/12/10 報恩講法要
お問合せ:075-463-0714