京の冬の旅 / 京野菜で京仏料理
京野菜は地産地消で
冬の京都にいて旬の京野菜を食べない手はない。否、どの食事をとっても京野菜が入ってない訳はない。
ならば、旬にある京野菜を一番美味しく食べない手はないと言い換えよう。
暖冬とはいえ、京の底冷えは野菜を美味しく作り上げてくれるのだ。
有機栽培されたナチュラルでミネラルたっぷりの生鮮な野菜達である。
京の地で採れたものが「京の地野菜」で、聖護院大根、万願寺とうがらし、九条ねぎ、壬生菜などなど「京の地名」が冠にのついたものは「京野菜」と呼ばれている。
元来、京の地野菜を関東で売り出すためにつけられたネーミングであるが、京野菜というネーミングもしっかりとブランディングに成功し、地野菜でない「京野菜」も今や京都産と思われている。
そして、「京野菜」と聞けば高級で皆美味しく思われ、安くスーパーマーケットに並ぶ他国産の京野菜も飛ぶように売れているらしい。
ここは、「京の地野菜である京野菜」を手に、口にしていただきたい。
京野菜はユニークな形と味を持っているが、全てオリジナルの品種ではなく、平安朝の時代より1200年の歴史の中で京の気候風土や精進料理文化と合い混じり、農家の人の手によりアレンジされ生み出されたものなのである。
原種ではなく改良種として京都で作り上げられたということだ。
その改良種であった京の地野菜の種で、今また各地で京野菜として生産され持て囃されているのだ。
種々の種を取り込み、改良の中で変異を産み出し、新たな源流として発信していく街の特性がここでも見て取れる。
さて、旬の京の地野菜といえば、洛北、大原の地で採れたものが格段に美味い。
朝採りの葉の部分を噛んでみると、ほんのりとした苦味のあとに深い甘さが広がってくる。これは自然の産物だと感じる。
水菜、壬生菜、九条ねぎ、万願寺とうがらし、京かぶら、青首大根、聖護院大根、つくね芋、ほうれん草、京せり、花菜、金時人参と、葉物も根菜物も豊富に出回っている。
小生のまわりでは、ここ数年もっぱら辛味大根の話題で騒がしい。おそらく人気が高まってくる京野菜となるだろう。
旬の京野菜は鍋物、漬物でいただくのがポピュラーである。京懐石でいただくのが最高にその旨味が引き出されているように思うが、相応の予算を覚悟しなければならない。
それに引き換え、価格以上に旨味を出してくれているのが、イタリアン・フレンチに使われている京野菜である。
例えば、九条ねぎ、水菜、壬生菜をゼリー寄せし、赤かぶとキャビアを添えたジュレ。更には、かぶらをくり抜き、馬鈴薯のピューレとトリュフを詰めたパルマンティエ、京人参、九条ねぎ、赤かぶが盛り合されている。
あるいは、京野菜のミルフィーユ仕立、シーフードに水菜があしらわれている。
一万円で、ワインまでいただいてお釣りがくるというから、町家でお箸でフレンチ懐石が人気を独り占めしていることに納得がいくというものだ。
近頃京野菜のシュークリームまで発売されているらしいが、評価は賞味してからにしたい。
京野菜 かわまさ
http://www.rakuten.co.jp/kawamasa/
京野菜 かね正 / TAWAWA
http://www.kyoyasai.co.jp/group.html
京都市内のフレンチレストラン
http://allabout.co.jp/gourmet/eatoutwomenkansai/subject/msubsub_frenchkyoto.htm
douze-gout12 柳馬場三条下る
http://www.douze-gout.com/home.htm
クレームデラクレーム
http://www.rakuten.co.jp/cremedelacreme/354549/