京都御所通年公開・ここが御所なのだ
~皇居こそ「東京御所」と言え~
「やはり」と言うか、「とうとう」と言うか、「ついに」と言うか、あるいは人によっては「ようやく」と言うかもしれないが、宮内庁は京都御所の通年公開に踏み切った。まあ多分、京都市などからの要請もあったのだろう。「国際観光都市」を標榜するのに御所という大きな文化財にして「観光資源」を「死蔵」しておく手はない。これは理解のできる範囲の話である。
そこで早速、と言うには少し遅れてしまったが、御所に行ってきたのである。
地下鉄の今出川駅を降りたら御所に行く人で一杯なのではないかと思ったら、意外と誰もいなかった。平穏そのもの。ちょっと拍子抜け。
私が行ったのは平日だったからかもしれない。
何はともあれ見学料はタダ。
無料である。
ただし、中に入るとき簡単な手荷物検査がある。これが嫌だという人は行かないこと。精神衛生上悪いだろうから。
タダにしなくても、たとえば300円ほど取る手もあると思った。無料だからというので人で溢れかえっても困るからだ。
だが、ここで見学料をとるとなると、「その事務処理はどこがやる?」という問題が出る。
京都市か?
しかし、御所は国有財産だからお金は国に入り、京都市は儲からない。
では国がやるか?
いやいや、そんな手間の掛かる仕事はやらないだろう。
そんな訳で無料になったのではないかな。^^
詮索はさておき、中に入るとパンフレットは日英中韓と各国語のものが揃っていた。このあたりは今や常識かもしれない。そこで(もちろん日本語を)一部もらってざっと眼を通してみた。すると
? ? ?
の記述があったのである。
「皇居は内裏と呼ばれ、天皇のお住まいであった」
と書いてあるのだが、だいたい、「皇居」というのは現在において東京の、天皇陛下がおられる場所である。戦前は「宮城」と言った。故に、歴史的には京都での天皇陛下のお住まいが「御所」である。
「御所は天皇のお住まいであった」
と書くべきものだろう。さらに
「仮皇居」
という言葉も出てくる。これも
「仮御所」
である。
「皇居」はあくまで戦後の言葉。歴史上、天皇陛下がお住まいの所は「御所」である。東京の皇居は単に天皇陛下が「居る」だけ。だから皇居。本当のお住まいは京都にある「御所」なのだ。
だから「京都御所」は「御所」でよく、皇居こそ「東京御所」と言わねばならないのである。それなら筋が通る。
そもそも明治天皇は東京遷都の詔勅を発しておられない。
詔勅に代わる法律で東京が首都と定められたこともない。
つまり、東京が「事実上の首都」であることは間違いないにしても、正当性という点では今でも京都が日本の首都なのである。東京が首都だという法的根拠は何もない。
故に、今の日本の「首都」は
「東京都」と書いて「ひがし・きょうと」と読むのが正しいのだ。
小池百合子さんは「ひがし京都」知事なのである。
まあ、「都知事」には違いない。
このように正しい知識を持って御所を見学していただきたいものである。
【言っておきたい古都がある・197】