「重陽の節句」は仕事も休む特別な日、元旦以上にめでたい日!
本殿内は、礼拝者で埋まっている。縁にも人が溢れていた。
観光客といえば、若い外人さんだけである。あとは日本の年輩の虚空蔵さんの崇敬者の方である。日本の若者は渡月橋より北がお好みのようである。
虚空蔵法輪寺にやってきたのは、五節句のうち今や一番見向きもされていない節句に、好奇心を持ったからである。
節句は中国より伝わったものだが、「重陽の節句」は仕事も休む特別な日で、神々に食物を供えていたと、こう記されているのが目に留まったからである。
9月9日は、二ゾロの最高の陽数であるというのが、陰陽五行に言われている数である。
この日に、重陽の節会(ちょうようのせちえ)が、平安の世より綿々と行われているのである。
そのことは住職の読経の中の一説にも聞こえた。
読経のあと、礼拝者に菊が配られ、それがお供えされ、
そして、金剛流の能(枕慈童)が奉納された。
奉納行事のあと、仏前の菊の花と、菊酒がふるまわれ、お開きとなった。
虚空蔵法輪寺には、被綿(きせわた)と菊慈童(きくじどう)とが伝わる。それを目の当たりに見た。
「邪気をはらい、寿命をのばす」との祈りを一堂に会し念じられた読経は、荘厳に響き亘っていた。
住職の後ろ脇に立ち飾られているのが、平安時代より伝わる「被綿(きせわた)」である。
被綿と菊慈童 のことは、コチラをご覧頂きたい。
さて、9月9日を何故に重陽と呼ぶのかを説明しておこう。
中国の「陰陽」では、「1、3、5、7、9の、奇数は、陽の数」とされ、
「2、4、6、8の偶数は、陰の数」とされている。
陽の数の中で、「九」が「最大の数」なので、「陽のチカラが、強い」と発想し、一年中で、「九」が、ふたつ並ぶ日、九月九日は、強い「陽」が重なる日。
つまり、「重陽の日」という。
「一、三、五、七、九」の月に、「陽の日」が重なる日として祝われるのが、「節目の日」で節句だという。
今日は元旦以上にめでたい日ということになる。
生憎のところ台風18号が上陸するというが・・・今年もお参りしたいものだ。