ラーメン革命、その後。
「京都ラーメン革命」をご紹介した。左京区に軒を連ねるラーメン店が、3店舗集まって色んなことを考え(商売とか職業観を越えて、人生のこととか)、行動を起こそうとしていた。それを「革命」と呼んだわけだが、その革命は結実したのか、はたまた…。
当時(「京都ラーメン革命」参照)「いいちょラーメン」「ラーメンあかつき」「高安」という、今や京都を代表する存在となったラーメン店が話し合っていたのは、概ね次のような内容だった。「一乗寺のラーメン店が集まって、ガレージを借りたらどうか?」「揃って割り箸をやめてはどうか?」「九条ネギを一括して仕入れられないか?」「アジアのどこかに学校を建てよう!」…、もっと環境や社会に貢献はできないか? と。
それ以前に、根底にはこれがあった。
「何故か互いに仲が悪いと思われているラーメン店同士が、友達になることが、そもそも革命じゃないか」。
当時それぞれの店主が思う達成率は1%だったり、10%だったりしたが、以来、どのように変わっているのか。
それは「サミット」と名を変え、看板の新旧を問わずに広がっていた。参画店舗が増え、とりわけ「京都 千丸 しゃかりき」という牽引役を得て、具体的な動きもある。およそ1年前「京都和え麺サミット」という期間限定のイベントが行われていた。趣旨はこうだ。
「ラーメンブームの終焉とともに、下火感・マンネリ感を感じる今、ラーメンの魅力を再発見してもらうために、『和え麺』というスタイルで、もう一度意識をラーメン店に向けてもらいたい」
さらに2009年に入って、西院にある知的障害者通所授産施設である「みやこ西院作業所」がつくる、国産材料を原料とした無添加の味噌を使い、各店がラーメンに反映させるという試みがあり、参画店は京都10店舗、さらに滋賀からも7店舗を巻き込んだ。
そして今回、2度目の「サミット」が決定した。京都つけ麺&和え麺サミットと題され、「和え麺」と「つけ麺」のダブルアプローチが、参画各店で9月から開催される予定だ。今や京都創作ラーメンの父とまで言われる「京都 千丸 しゃかりき」の代表・梶充秀さんは言う。「オリジナルレシピでこそアレンジができるし、和え麺には延びしろがある」。
京都ラーメンのレベルの高さを何度も語ってきた本誌としては、彼らが抱く危機感は意外だが、「200円や300円の高級インスタント麺と比較されてしまう今、やらなければならないことは山ほどある」と言う。一方で、中学生が量ではなく味について語っていく嬉しい現実もある。ときに戒めながら、ときに報われながら、革命は活動に、活動は新たなスタンダードに、そしてまた何年後かに、新たな革命が…。
そうして京都ラーメンの旅は続き、いつまでも高いレベルを保っていくし、またそうあって欲しいと願うのだ。
第2回京都ラーメンサミット参画店
京都ラーメン店協会は2009年9月1日から1ヶ月に渡り、京都市内のラーメン店13店舗で「京都つけ麺&和え麺サミット」を開催実行した。
しゃかりき梶さんは「ラーメン店業界も努力しなければならない。工夫して僕らだから作れるメニューを提供したい」と話す。同店では「カレー和え麺」(800円)を提供。梶さんは「ラーメン店が工夫したラーメンの面白さを知らない人も多い。ラーメンを愛している人達にいつまでも楽しんでもらうためにも、今後も継続していく必要がある」と話す。
いいちょラーメン しるなしたまごかけ温そば
■京都市左京区下鴨東半木町70-10
075・711・0141
京都 千丸 しゃかりき 特濃カレーつけそば 油そば
■京都市中京区聚楽廻東町3-9
075・813・5198
吟醸らーめん 久保田 つけ麺、豚骨、あっさり系など多数。
■京都市下京区西松屋町563
075・351・3805
タンポポ 辛つけ麺、エビとキャベジの和え麺
■京都市北区紫野西蓮台野町57
UKハイム北山1F
075・493・8594
はなふく 汁なし担々麺
■京都市伏見区鑓屋町1112-2
075・643・0807
ラーメンこぶ志 塩系ツケ麺
■京都市中京区御前通三条下ル
壬生中川町10-6 川島ビル1F
075・841・9419
ラーメン荘 地球規模で考えろ 和風あぶらそば
■京都市伏見区撞木町1153-9
075・644・7544
おいけらーめん さまた(上京区烏丸上立売) 根菜つけ麺
鶴はしラーメン(左京区一乗寺) スープパスタ風冷まぜそば(にんにくスープ)
中華そば 東龍(左京区北白川) 冷やもりつけめん
しもがも 坦々麺(左京区下鴨) 冷し和え麺 酸味辛味の冷まぜそば
四川亭(左京区元田中) 汁なし担担麺
七条烏丸 心龍(下京区烏丸七条) 冷し担々麺