京都の洋食(その4)
~3大洋食の最後、オムライス~
オムライスは発祥の店を自称する店がいくつもあり、中でも有名であり有力とされるのは東京銀座の「煉瓦亭」と大阪心斎橋の「北極星」。
ま、どっちが正解でも京都ではないのだな。
「北極星」は八坂神社の近くに支店があり、さらに改装されて新たな飲食店スペースが大きくなった京都駅前の地下街ポルタにもお店が出来たので京都に住んでいても行き易くなった。
ところで、オムライスというと疑問がひとつ湧きませんか?
つまり、これはカレーライス、ハヤシライス、チキンライスなどと同じで「ご飯もの」なのか、それともオムレツの一種で玉子料理の仲間であるか。
考えるとキリがない。これはもう料理人の信念と哲学の問題になるのだろう。
オムライスというとケチャプライス(私の感覚ではチキンライス)を薄い玉子焼きでくるんだものになるが、これが定番ではあるものの別系統として〇〇ライスの上にプレーンオムレツをドカンと乗せたものもある。
こうなるとカレーライスやハヤシライスの延長線上で「オムレツライス」になりそうだ。
ちなみに私が家でオムライスを作るときは薄く焼いた玉子でくるりと包むというのが不器用で上手く出来ないため、プレーンオムレツ乗せになる。
しかもスーパーやコンビニで売っている百円ほどの冷凍食品のチキンライスやエビピラフをレンジで調理し、その上にプレーンオムレツを乗せるというインスタント・オムライスなのである。
くるりと巻くやつも以前に一度挑戦したことがあるのだが、フライパンの上に広げた玉子の上にレンジでチンといわせたチキンライスを袋からバラバラッとぶちまけて、そのままくるっ、と返せば全部グチャグチャになってしまい、それ以来挑戦をやめていた。
ところが、今のマンションに引っ越してから、何を思ったのかふとした気まぐれでこの巻くタイプのオムライスを作ってみたら、そこそこ上手く出来たのであった。いつの間にか腕が上っていたのだな。
それはともかく、今ではこのオムライスのヴァリエーションも多い。
◎薄焼きで巻くかプレーンオムレツ乗せか。
◎ケチャップライスの具は鶏かハムかベーコンか豚肉か牛肉か。
◎ケチャップライス以外のライス物を使う
◎ミックスベジタブルを入れるか入れないか。
この順列組み合わせだけで何十種類いや、何百種類になるだろうか。奥が深いのである。
オムライス専門店に行けばハンバーグが一緒に盛ってあったりビーフシチューと一緒になってたりと、ちょっと濃すぎるんちゃうかというのもあって、こうなるとお子様ランチが成長した大人ランチの一種になるかもしれない。
このあたりにも日本人の「外国を真似たものに改良を加えてオリジナルよりも優れたものにする技能」が発揮されているな。
こうして色々な洋食のメニューをドンドン広く深く発達させていく事によって剣道や柔道のような「道」が出来てくる可能性がある。
「洋食道」だ。「洋食堂」と間違えそうだけど。
さて、中々京都の話にならなかったが、来週は京都の洋食屋さんの話に移る。
【言っておきたい古都がある・314】