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    京都ミステリー紀行

    家尊人卑(その35・完結編)

    ~「家」は日本が続く限り続く~

    江戸時代は男尊女卑どころか商家などは娘に婿養子をもらって「家」を継続させるのか珍しくなかった。長男でも経営の才能がないと分れば若隠居させられたわけである。もっとも、そのおかげで経営の才能はなかったけれど絵の才能はあった若冲なんて人が世に出たのだろう。
     

    日本で言う「世間」が無条件で認めてくれる「家」の繋がりは間違いなく「直系」である。
    この連載の中でも書いたが、今現在の「家」のメンバーの子供なら男でも女でも構わない。「両親の血を継いだ子供」が家を維持していく。
    「家」の子供の血を継いだ子供が「家」を維持していく。男女どちらでもかまわないから祖父母・父母・子・孫・曾孫と直系でつながっていく事。それだけ「血の濃い」方が良いとされる。

     

    そこで皇室が何が何でも「男系男子」にこだわると、もしも何十年か後に今の皇室に男子が絶えたとき、家系図を遡って「男系男子」を連れて来なければならない。
    その時、どこの誰ともよく分らない人を出されて「はい、この人が次の天皇陛下です」と言われて、昭和から平成へと元号が空気の如く受け入れられたように受け入れられるのか?

    それとも、その場合は「顔を売る」ためにメディアへの露出度を高めますか?
    そうして知名度を高めて即位して、本当に宮中祭祀を維持できるのか。

    今の皇室から見れば家系の「枝葉」に当る人に皇統無私の精神と祭祀を拓せるのか。

    「遠い親戚」が「本家」を継ぐに際して、それを周知徹底させるために露出度を高めるとなると、当然いわゆる「ご公務」へのお出ましを多くする事になろう。そしてそれが「主な職務」になれば、宮中祭祀はますます軽視されるのではないか。
    それでなくても今の役人は「天皇陛下のご公務軽減」と言いながら、祭祀を狙い撃ちにして削減し、役所がらみの行事へのお出ましといった「ご公務」はむしろ増やす傾向にある。

    皇位の継承を男系男子にこだわりすぎれば、将来「遠い親戚」が民間から皇統に復帰して即位した場合、「ご公務」中心になって祭祀が蔑ろにされる可能性は十分にある。
    皇統に復帰するまでは「現代っ子」だった新天皇が「祭祀の簡略化」を目指した時、誰が阻止できるか。
    それまで一般人であった「現代っ子」が天皇陛下の重要な役割である「祈り」をどこまで引き継げるのか。

    男系男子にこだわる人たちは、「たとえ遠い親戚であっても皇統の血が流れているのだから帝王学をほどこせば大丈夫」と言うのかもしれない。

    しかし、そんな何の根拠もない楽観論で良いものなのか?

    皇位の継承を男系男子に限るとあまりに頑なにこだわれば、今の皇室に男子が絶えて「遠い親戚」が即位する事態になった時、皇室の伝統を守るどころか却って宮中祭祀の伝統が軽視される可能性がある。その時になって「想定外だった」などと言うわけにはいかない。手遅れである。

    伝統的な「家」の継承は「両親の血を受け継いだ子」によって行われる。男子ならそれでよし、女子なら婿養子を取る。
    子供がいないのならば遠い親戚から連れてくれば良いのだが、女の子でもいれば婿を取って継がせて「家」を維持してきたわけである。
    目には見えないが「伝統的な家の制度」というのは男系男子にこだわっていない。日本人が受け入れてきたのはこの「家の制度」の方であろう。

    「家」の継承ですんなりと受け入れられるのは「今生きている私たちが知っている家のメンバーの子供が家を継ぐ」ということ。
    懸念されるのは遠い将来の事なので、今あわてて「女性宮家」など作る必要はないが、「男系男子にこだわる」という「伝統」は「側室」という伝統があって始めて成立した。
    いずれ皇室も男系男子にこだわるのをやめるか、側室を復活させるかの岐路に建つかもしれない。
    しかし、今さら側室でもないのでは?

    日本人の頭に刷り込まれている「家の制度」というのは祖父母・父母・子・孫・曾孫と直系でつながっていく「家」である。そして実は男尊女卑ではなかった。たとえそれが「勘違い」であったとしても、「家」というのは直系の血のつながりで継続していくものと認識されている。

    将来、万が一、今の皇室に男子がいなくなったとき、誰も知らない「枝葉の元皇族」を引っ張ってきて「はい、この人が次の天皇陛下です」と言うのか、今の皇室の子供・孫・曾孫に当る人を男女の区別なく継承者にするのか、決めるのは金権腐敗や文句だけ一人前の政治家でも木っ端役人でもなく、日本人の総意ということになる。総意といっても、1人でも反対すればアウトなのではなく、空気の如く受け入れられるということ。

    なにはともあれ、「その時」が来た場合、平成という新元号が受け入れられたように受け入れてもらえるのは「枝葉の新人」か「女帝」か。
    実に興味のあるところだ。

    さて、長々と書いてきて、当初考えていたのとは違う方向に来てしまった。本当は「家」が人よりも上、というのを面白おかしく実例を挙げて茶化せればよかったのだが。

     何はともあれ、伝統的な日本の社会は男尊女卑ではなく家尊人卑。決して制度設計された「家」というものがあるわけではないのだが、空気のように存在していて、時代時代によって強くなったり弱くなったりするけれど、一定の拘束力を持っている。
    まあこれは日本が続く限り続くのだろう。

    このテーマはシリーズ最長の35回を数え、およそ9ヶ月も続いてしまった。
    ここまで読み続けてくださった皆さんに感謝いたします。
    来週からは新シリーズですが、もっと砕けた、ゆる~いネタにしようと思ってますので、よろしく。

    「家尊人卑」(完)

    【言っておきたい古都がある・310】

    谷口年史

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    谷口 年史(たにぐち・としふみ)

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