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    徒然草の知恵(その3)

    ~今も昔もデマの本質は変わらない~

     旧約聖書には「日の下に新しきものなし」という言葉があるけれど、兼好法師の『徒然草』を読んでいると本当にそのとおりで、デマというものも時代が変わったとしても同じプロセスで顔を出すことがよく分かる。

     

     原文が長くなるので、本日は内容を現代語で記す。
    『徒然草』第50段

     応長(1311)の頃、伊勢から鬼になった女を連れてきているという噂が広まり、20日間ほどは京都の人たちが鬼を一目見ようと町中に出てきていた。
    「昨日は西園寺に参拝していたぞ」
    「今日は上皇の御所に行ったそうだ」
    「今あそこにいるらしい」
     などと言いあっていた。
     「間違いなく自分が見た」という人はおらず、「そんな話は嘘だ」という人もいず、ただ鬼の話だけは止む事がなかった。

    西園寺(google)

     同じ頃、四条通より上の人たちが、大挙して北の方へ走っていた。
    「一条室町に鬼がいる」と言いあっていた。
     今出川辺りから見てみると、上皇が賀茂祭見物のためにしつらえていた桟敷のちかくが物凄い人だかりで通り抜けることも出来なくなっていた。
     「これは本当だ」と思って人を遣わして見させると、実際に鬼に会った人というのはいなかった。騒ぎは日暮れまで続いて、とうとう喧嘩まで起きてしまったのである。

     デマに振り回される人は鎌倉時代にもいたわけだ。デマが蔓延するかどうかはジャーナリズムの発達とは関係が無いようである。「一犬虚に吠えれば万犬虚に吠える」の言葉どおり、入り組んだ事実よりも分かり易い嘘のほうが信じてもらえる。そして虚に向かって吠える声が大きくなればなるほど、「それ、違うのでは?」とは言いにくくなるのだな。
     「選択」に関する議論は多数決で決めることが出来るので楽なのだが、「事実」に関する議論には多数決は通用しない。「証拠」があってもその「証拠」そのものが間違っているかもしれないわけだし。
     よく、「報道でこのようなことが言われているがそれは間違いで、実はこうだ」という話を聞くと、つい「そうだったのか」と思いがちだが、その「実はこうだ」のほうがデタラメの場合だってあるのだから油断できない。
     さて、我々は一体何を信じたらよいのだろうか。悩んでしまう。嵐が過ぎるのを待つしかない?
     さあ、兼好法師はどう言っているか
      
    『徒然草』第73段の冒頭、兼好法師はいきなり言っている。

    「世に語り伝ふる事、まことはあいなきにや、多くは皆虚言(そらごと)なり」

     世間で語り継がれていることは大抵デタラメだと。以下、現代語で分かり易くまとめて記します。

    「普通でも人は物事を大げさに言い過ぎるのに、年月がたって場所も離れていると、好きなように言ってそれを記録にも残すから、結局はそれが事実であるかのように固まってしまう。その道の達人とされる人でも、何も知らなければ感心してしまうが、その道に詳しい人は信用しないものである。どんなものでも見ると聞くでは大違い」と、こうしてデマとそれを取り巻く人たちについて、下記の様にまとめます。

     ①いずれはばれると分かっていながら、口からデマカセを言っているのは、すぐに嘘とばれるからまだ良い。

     ②自分では「これはおかしい」と思いながら、人の言う事に従っているのは、自分でついた嘘ではないからまだ良い。

     ③「私も詳しいことは知らないんですが」とか言いながら、上手く辻褄を合わせてつく嘘は恐ろしい。

     ④たとえ間違いでも自分のことを良く言ってくれているデマは誰もあまり否定しない。

     ⑤自分では「それはおかしい」と思っていても、周りの人たちが盛んに言うので黙っていたら、いつの間にか自分も言っていたことにされてしまう。

     ①は問題ないですね。
     ②は「自分でついた嘘ではないからまだ良い」のであって、嘘は嘘だと言ってます。つまり、「これはデマだろう」と思っていても、黙ったままデマを否定しなければ、その人も嘘をついたことになると。
     ③は「誰かから聞いた」という形で、「自分も詳しいことは知らない」と言いながら、細かいところまで辻褄を合わせたデマを広める奴が一番タチが悪い。つまり、「伝聞」に過ぎないはずのものを、やたら詳しく懇切丁寧に説明する奴には気をつけようということ。
     
     ④はよくある。良い意味での誤解ですね。
    「〇〇さんは×××だったんですってね」と言われても、それが都合の良い間違いだと「いえ、違います」とは言わずに、
    「あ、いや、なに、そんなことないんですよ、エッヘッヘ」と言ってしまう。すると相手は「あっ、やっぱりその通りだったのだ」と話が肯定されたのだと受け取る。
     この時、「いや、なに」と言った人は否定も肯定もしていない。しかし聞き手は肯定したものと思うわけである。しかし言った人は「自分は間違いを肯定したわけではない」と思ってるし、全ては勝手に勘違いしている相手の責任だと思っている。

     ⑤自分ではデマだと思っていても、周りの声にひるんで黙っていたら、後日、「なあ、あの時お前もいて聞いていたよな」とデマを肯定する証人にされてしまう。
     そして兼好法師曰く

    「とにもかくにも、虚言多き世なり。ただ、常にある、珍しからぬ事のままに心得たらん。万違うべからず」

     ごく普通に、常識的に判断して理解しておけばよいと。何という常識的な答か。しかし、兼好法師とデマの話はまだ続く。^^

    【言っておきたい古都がある・243】

    『徒然草』(つれづれぐさ)は、吉田兼好(兼好法師、兼好、卜部兼好)が書いたとされる随筆。清少納言の『枕草子』、鴨長明の『方丈記』と合わせて日本三大随筆の一つと評価されている。
    序段を含めて244段。文体は和漢混淆文と、仮名文字が中心の和文が混在している。序段には「つれづれなるままに」書いたと述べ、その後の各段では、兼好の思索や雑感、逸話を長短様々、順不同に語り、隠者学の一に位置づけられる。
    兼好が仁和寺がある双が丘(ならびがおか)に居を構えたためか、仁和寺に関する説話が多い。

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