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    京都ミステリー紀行

    五郎兵衛さんの京都(その6)

    ~艶笑譚、秘すれば花の下半身~

     「落語家の元祖」として江戸時代中期に京都で活躍した露の五郎兵衛さんが残した『軽口露がはなし』を読みながらその当時の京都の様子を垣間見ようと試みているシリーズだが、今回は少し趣向を変えて現代の(二代目)五郎兵衛さんの話を絡める。
     とは言うものの、私が子供の頃に(当時新京極にあった)京都花月やテレビで見たのは露の五郎師匠だった。まだ「兵衛」は付いていなかったのである。だから私の中では今でも「露の五郎」のままなのだな。ちょっと申し訳ないけど。

    二代目露の五郎兵衛(2009年3月逝去)
    二代目露の五郎兵衛(2009年3月逝去)
     で、この師匠、テレビでは艶笑譚をよくやっておられた。だからこの人はこんな話ばかりするのかと思っていたのだが、今、思い返してみると、あれはテレビ出演に際して他の落語家との違いを売りにするための差別化政策だったのだろう。高座では普通の(と言うのもここでは変な表現だが)落語もやっておられたと思う。実際、私が京都花月で聴いたのは怪談だった。

     さて、その艶笑譚だが、いわゆるエロチックな話の事である。このエロい話をいかにも「エロです」という話し方をするのではなく、もっと洗練された表現でエロさを出して笑わせるのが真骨頂。ストレートな言い方をしてお客に媚びたような笑いを取るのではなく、どこまでも「奥ゆかしく」やるわけだ。

     『軽口露がはなし』にはそのものズバリの艶笑譚は収録されていないが、前にも紹介したような屁の話以外にも下半身をネタにした話は載っている。
     巻二第十四のエピソード。

     ある寺に松の老木があった。老僧が戯れて二人の少年に

    「あの松は男か女か?」

    と尋ねてみた。すると歌人の子が答えて、

    「女です。月のさわりになりますので」

    と言うと、土着の子が

    「いや、男です。あのような、ふぐりがありますから」

    と答えたと。

     歌人の子が「女です」と答えたのは、「松の枝が伸びてお月様を鑑賞するのに邪魔になっている」と言う事実と、女性の生理である「月の障り」とを引っ掛けた。
     土着の子が「男です」と答えたのは松の木のコブを「ふぐり=きんたま」と見立てた。
     これで「人の生まれは言葉で知れる」という話になっているのだが、歌人の子は今も昔も「タブー」である話題をサラリと言いぬけている。これが洗練されているということである。

     現代の二代目五郎兵衛さんになると、これもストレートには出さず、想像力に訴える形になる。
     保守的なお父さんと活発な娘の会話で、ピチピチのジーンズを履いて男のような格好をしている娘を父親が叱る。

    父「コラッ、何じゃ、その格好は。男みたいに! 前にチャックなんか付けても、お前にはそこから出すモンは無いやろ!」
    娘「フン、出すモン無いけど、入れるモンあるわ」

     ま、こういう話なのである。
     ただ、艶笑譚といっても馬鹿にするなかれというのは、よくよく考えるとかなり深い意味が、それも古典の教養に根ざしたとてつもなく高尚なものがある作品も存在すること。
     参考までにご紹介するが、この話、二代目五郎兵衛師匠で聴いたのかどうか、記憶が定かではない。内容のあまりの深さに演者の記憶が飛んでしまったのである。

     話の舞台はある高貴な方の家の寝所。蝉丸という名の男が夜這いをかけて忍び込んでくる。季節は夏で、寝所ではこの家の奥方が蚊帳の中で寝ている。そして人の気配を察して目を覚ました奥方が、相手を厳しく誰何する。そこでその奥方と夜這いをかけた男である蝉丸との会話になるのだ。

    奥方「そこにいるのは誰じゃ!」
    蝉丸「蝉丸でございます」
    奥方「そこにいるのはかまわぬが、こっちへ来てはならぬぞえ」
    蝉丸「はい」

    奥方「こっちへ来たのは誰じゃ!」
    蝉丸「蝉丸でございます」
    奥方「こっちへ来てもかまわぬが、蚊帳に入ってはならぬぞえ」
    蝉丸「はい」

    奥方「蚊帳に入ったのは誰じゃ!」
    蝉丸「蝉丸でございます」
    奥方「蚊帳に入ってもかまわぬが、蒲団に入ってはならぬぞえ」
    蝉丸「はい」

    奥方「蒲団に入ったのは誰じゃ!」
    蝉丸「蝉丸でございます」
    奥方「蒲団に入ってもかまわぬが、乳などいろうてはならぬぞえ」
    蝉丸「はい」

    奥方「乳をいろうておるのは誰じゃ!」
    蝉丸「蝉丸でございます」
    奥方「乳をいろうてもかまわぬが、尻に手を回してはならぬぞえ」
    蝉丸「はい」

    奥方「尻に手を回したのは誰じゃ!」
    蝉丸「蝉丸でございます」
    奥方「尻に手を回すのはかまわぬが、茂みに入れてはならぬぞえ」
    蝉丸「はい」

    奥方「茂みに入れたのは誰じゃ!」
    蝉丸「蝉丸でございます」
    奥方「茂みに入れるのはかまわぬが、もうもう止めてはならぬぞえ」

     というお話。
     出典が分からないので細かな部分で間違いがあるかもしれないが、こういう筋であった。
     この艶笑譚の真髄は理解してもらえたと思うが、この話の「奥深さ」というのは忍んで来る男の名前が「蝉丸」であること。
     何故これが奥深いのかという解説は来週に続く。

    【言っておきたい古都がある・154】

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