Notesその壁には、何か居る。
田中知之(Fantastic Plastic Machine)」は「FPM10+というクラブサーキットを仕掛けて、今「KMF」というイベントが、京都では定番となっている。
http://kyotocf.com/fame/otomati/realface/10feet/ target=”_blank”>10FEETは「京都大作戦」を企画した(残念ながら昨年は「台風でゴメンナサイ」であったが、。今年は大成功)。くるりは「京都音楽博覧会」を開催し、Limited Express(has gone?)やロボピッチャーは、今年も「ボロフェスタ」をやる。
京都の音楽イベントって、本当に増えたと思うし、嬉しいなぁ、と思う。
昨年まで本誌で連載していた「MOJO West Chronicle」コーナーで、42回にわたって、多くのライブハウスにご登場いただいた。古い順からライブハウス(や、それに近い店)に伺ったのだが、その取材は、実に貴重なものだったと、改めて思う(ちなみに、そのコーナーはウェブサイトでご覧いただけます http://kyotocf.com/mojo-history/)。
その最初にご登場いただいたのが「拾得」で、その次が「磔磔」だった。「音街京都」の構成要素はライブハウスだけではないし、ライブハウスだけが「音店」でもない。だがこの二軒を素通りしては、始まらないのも事実である。
「まっちゃん」の店主・松井さんが、「都雅都雅」におられたとき、「『磔磔』には何かいるよ。今行っても緊張する。『あぁ、何か怖い』みたいなね」と言っておられた。それは「壁に音が染みこむ」とかというレベルではなく、である。
事実、「拾得」でもそうらしい。「いますねぇ(笑)。言霊じゃなくて、音霊(おとだま)が。ライブを終えた人が、『ステージの後ろからハモってる声が聞こえてきました』っていうことがありますよ。『すごく楽しかった』って(テリーさん)」
こういう現象が、街中にあるのが音街っていうことなんじゃないだろうか。雑踏を歩けば、携帯が鳴っているのが分からないことがあるが、極論すれば喧噪も音楽だ。それはどの街でも同じだが、今号にご登場いただくライブハウスや、カフェや喫茶店やバーの存在が、京都を特別な音街たらしめているのは、間違いないと思う。
いかにして京都が音街になったのか、は、先のウェブコンテンツをご高覧いただくとして(それ以上にはここでは書けないので)、今号では、いま目の前にあるできあがった音街を、ご紹介したい。