20年前に現代のキーワードを予言
NHK朝ドラ・カーネーションに描かれている小原直子(おはら なおこ、糸子と勝の次女)にあたるのがコシノ三姉妹・次女の小篠 順子(こしの じゅんこ、本名: 鈴木 順子)さんだ。『誰もが面倒を見るのを嫌がる程の暴れん坊で泣き虫である』とされている。
最先端のファション、オートクチュールはもちろんだが、どの家にも-Junko Koshino-のブランドロゴはなにがしかにあるのではないだろうか。「あのオレたちひょうきん族のアミダばばあのデザインはコシノ・ジュンコやて」と物知りゲに言いふらしていたクラスのひょうきんものを思い出す。明石家さんまさんは「タケちゃんマンの敵史上、最も高額な衣装だった」と語っているらしい。
弊誌がインタビューを行ったのは1991年。大阪万博のころから活躍されていた訳だから、このバブル終焉の頃は微妙な時期だ。老舗呉服「千吉」が舞台になっているのも時代を窺わせる。
しかし、「グローバルななかで日本的なるものを見いだすべき」といういまの私たちにぴったりのコンセプトはすでに語られていたのだった。
ご自分の20年前を思い浮かべながらお読み頂きたい。
アール・フュチュールとコシノ・ジュンコ。
コシノ・ジュンコ
19世紀末、ヨーロッパに起こった芸術運動、アール・ヌーボー。
あれから、100 年。
今、コシノ・ジュンコがアール・フュチュールを提唱する。
彼女のヴィジョンは宇宙的。
そして、地球的(グローバル)。
そして、日本的。
最終的には日本を意識しているという彼女の行動美学は、人と人との関係に重きを置いた対極の美を以って提示される。
2000 年を感じながら、彼女に会った。
パリ、ニューヨーク、そして東京。
彼女は未来芸術を世紀末の今に提唱する。
いろんな風土に育まれてきた歴史に敬意を
表することが未来を目指す第一歩だ。
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アール・フュチュールとコシノ・ジュンコ