節分おばけ
「おばけ」とは、陰暦で正月節にあたる立春の大晦日、いわゆる「節分」に仮装をして寺社にお参りし一年の厄を落とす、平安時代にまで遡るとされている行事。
「普段と違う姿」、つまり仮装・異装したまま、寺社へ詣でて新年の平穏を祈る。 どうして仮装するのか。違う年齢や違う性などに扮することによって、節分の夜に跋扈(ばっこ)するとされる鬼を驚かし、やり込めるためである。
立春前夜は、暗い季節(秋・冬)と明るい季節(春・夏)の変わり目である。 また旧暦では年の変わり目である1月の始まりもこの頃であり、方位神が居場所を変えるなど、古い年から新しい年へと世界の秩序が大きく改組される不安定な時季と信じられた。
そこで豆まきなどの追儺儀式が行われるが、お化けもまたそうした民間信仰のひとつである。
鬼を化かすという「おばけ」は、古くから地蔵盆のように京都の町内でも盛んに行われていたが、昭和40年以降その風習も廃れてしまい、現在では花街で芸舞妓が行なう行事として知られている。
節分の祇園町の夜更は、妙な衣装に身をやつした芸舞妓さんやお客さんに出会うことしきりとなる。
「お化け」にどうしても出会いたい方は花見小路、四条通り、新門前通を散策されるとよい。、夕方から深夜頃まで・・・宮川町、上七軒、先斗町の芸舞妓さんの化け姿にばったりと出会えるでしょう。