「大原女―柴売りから観光資源へ―」 企画展
京都を象徴するモチーフとして代表的な「舞妓さん」と同じくらい知名度の高いイメージの「大原女さん」。 その背景には、平安時代より近代に至るまで京都の市中の生活に密着した大原女の文化があった。このように京都イメージを代表する「大原女」だが、 もはや京都には、その本来の文化、つまり大原の女性の主に柴の販売を中心とした行商の文化は残っていない。 現在、「大原女」文化は、大原観光保勝会(昭和30年設立)の活動によって、その衣装や風俗が、観光資源として生かされ、こうした活動が、伝統文化の保存活動にもつながっている。
しかしこうした活動も、その多くはボランティアによる活動であり、さらに、「大原女」の文化を記録した資料は少なく、この貴重な文化の正確な伝承が危ぶまれるといった状況もある。
こうした現状を踏まえ、2011年度、NPO法人京都古布保存会によって、第1回大原女衣装調査(京都府地域再生プロジェクト支援事業)がおこなわれた。 そして2012年度は、NPO法人京都古布保存会に加え、京都工芸繊維大学文化遺産教育研究センターと文化ファッション研究機構「近代京都の着物図案に関する研究」プロジェクトの活動の一環としても大原女衣装の調査をおこなった。
今回の展示企画では、この大原女に関する調査をおこなった京都工芸繊維大学文化遺産教育研究センター、NPO法人京都古布保存会、文化ファッション研究機構「近代京都の着物図案に関する研究」プロジェクトの調査結果をもとに、 「大原女」に関する資料を厳選し、展示することで、京都イメージとして知名度はあるもののその詳細については忘れ去られつつある「大原女」の文化を、一般に広く紹介したい。
この企画展が、京都伝統文化の伝承活動への一助となり、さらには、京都の観光資源「大原女」の広報活動にもつながれば幸いである。
◎関連企画
ギャラリートークと大原女衣装の着付けのデモンストレーション
2013年2月20日(水) 11時から
@美術工芸資料館1階第2展示室
○解説
青木美保子
他
○参加費 無料
※但し、入館料は必要です。
○申込不要
○協力
大原観光保勝会
☆★☆★ 「大原女―柴売りから観光資源へ―」 ☆★☆★
■開催日時:2013/1/28~2/23 10:00~17:00
休館/日曜日 祝日
■開催場所:京都工芸繊維大学美術工芸資料館
■入 場 料:一般200円 大学生150円 高校生以下無料
■お問合せ:075-724-7924
http://www.museum.kit.ac.jp/