錦織の装い展 -光峯の織物美術- アートスペース余花庵
織物美術家龍村光峯と後継龍村周による錦織作品と小物類の展示販売。
来年の干支戌にちなんで制作した新作錦織「犬喜文」、
錦織で仕立てた本袋帯・バッグ・名刺入れ・小物類など。
緑地花鳥獣文錦
本裂は、東京、京都両博物館の所蔵する正倉院裂の一つで、聖武天皇一周忌斎会(757年)を飾った道場幡の垂脚(すいきゃく)の止め飾りとして使用された古代の緯錦、倭錦(やまとにしき)である。実物を御覧になれば一目瞭然であるが、デザインが非常に精緻で高度なことが挙げられる。中央にはいわゆる「唐花」といわれる大きな花があり、対の「獅子狛犬」が上部にいて、さらに上部には対の水鳥が波紋と思われる上に浮かんでいる。副文には小さな花と「ザクロ」と思われる紋などがあるが、やはりメソポタミア起源の対の動物の中央に「生命の木」がある樹下動物文の系統を引く図柄であると考えられる。これを見ているとつくづくデザインなどは「不易流行」という場合の流行があるだけでまったく進歩していないのではないかと思われる。コンポジションは明晰に「同心円」と「六角形」で構成されているが、決して単に「抽象的」とはいい切れず、「抽象」とか「具象」とかいう近代の狭苦しい枠を悠に超えている。また、すべての白い線が古代紫の線で「くくられている」ことと、何となく線が柔らかくやまとぶりを感じさせる、見事な錦である。
■開催日時:2017/12/5~12/10 10:00~18:30
■開催場所:喜聞堂 アートスペース余花庵
〒604-0925 京都市中京区寺町通御池上ル上本能寺前町475(京都市役所西側)
■お問合せ:075-212-9793
■URL :http://yokaan.com/about.html