PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015 プレイベント】
プレイベント[作品展示]ウィリアム・ケントリッジ《時間の抵抗》2/8より展示公開
プレイベント[作品展示]ウィリアム・ケントリッジ《時間の抵抗》がスタートしました。
2012年「ドクメンタ13」にて初公開された後、国立21世紀美術館(イタリア)、ファン・アッベ美術館(オランダ)、メトロポリンタン美術館(アメリカ)のほか、ブラジル、オーストラリアなど各国で公開されている話題の作品のアジア初公開となります。本作の展示にあたってはそれぞれの会場ごとに展示デザインされており、今回の展示も元小学校であるこの会場にあわせて新たにデザインされました。
会場となる講堂の隣の教室は「スタディールーム」として、展示の前後に資料を探したりゆっくり本を読んだりしていただけます。スタディールームでは会期中の週末に、専門家を招き映像史や物理学、物語生成、社会哲学、美学などの視点からケントリッジ作品を語るアクセスプログラムが行われます(事前申込制)。また、関連書籍の販売や、展示のメイキング映像のモニター上映なども行っています。こちらもあわせてぜひお楽しみください。
「PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015」の開催一年前のプレイベントとして、南アフリカの美術家ウィリアム・ケントリッジの大規模映像インスタレーション作品《時間の抵抗》[原題:The Refusal of Time](2012)の展示公開を行います。5面スクリーンへの映像投影と多重音響、象徴的な運動機械を組み合わせた複雑な構成の本作品は、2012年のドクメンタ13(カッセル)に出品され、その時間を巡る深い考察と重厚な視覚表現によって世界中から訪れた数十万人の鑑賞者を魅了しました。京都での展示はアジアでは初めての紹介になります。ウィリアム・ケントリッジは、文化庁招聘による初来日時の同志社大学での講演会(2008)や京都国立近代美術館、東京国立近代美術館、広島市現代美術館を巡回した日本初の大規模な個展の開催(2009–10)、第26回京都賞・思想・芸術部門の受賞(2010)など、京都と深い絆で結ばれた美術家でもあります。
1980年代末からケントリッジは、木炭とパステルで描いたドローイングを部分的に描き直しその変化を35 mm映画用カメラで撮影して制作する「動くドローイング」とも呼べるアニメーション作品で世界の美術関係者に衝撃を与え、現在もなお世界中の若い世代の美術家たちに大きな影響を与え続けている美術家です。
映像からのスチル© William Kentridge
《時間の抵抗》は、20世紀初頭の近代物理学の誕生を研究するハーバード大学の科学史家ピーター・ギャリソンとケントリッジとの時間を巡る対話から着想され、野生動物にも似た美しく俊敏な踊りで知られる南アフリカの女性ダンサー、ダダ・マシロとのワークショップの過程で生み出された作品です。時間の意味を求める人間の飽くなき努力と人間に定義されることを拒むかのような時間の不思議さ、一方で人間が定義した時間の規則や拘束から逃れようと抗う人間、こうした両義性を内包するこの作品は、近代の普遍的で根源的な問題を執拗に検証し続けているケントリッジの、知の現在位置を明示する重要なマイルストーンと言えます。全部で6部制作された本作品は、ドクメンタ13で公開された直後に、そのほとんどが世界の有力美術館によって収蔵され、エディション5/6は日本のコレクションに収蔵されることになりました。今回の展示は所蔵者の石川コレクション(岡山)のご協力により実現することが出来ました。
☆★☆★ ウィリアム・ケントリッジ《時間の抵抗》 ☆★☆★
■開催日時:2014/2/8~3/16 11:00~19:00
■開催場所:元・立誠小学校
京都市中京区備前島町310-2(木屋町通蛸薬師下ル)
■拝 観 料:一般500円 大学生300円
■お問合せ:075-257-1453 info@parasophia.jp
■U R L :http://www.parasophia.jp