対照の美 / 古田織部美術館
琳派の創始者といわれる本阿弥光悦は、陶芸・書・蒔絵など芸術全般にその才能を遺憾なく発揮しました。一方で、茶の湯においても活躍し、数々の光悦好みの茶道具を残しています。それらには、茶の湯の師古田織部からの影響が色濃く表れています。
本展では織部が見出した道具の取り合わせとそこに宿る“対照の美”を紹介。織部の師・利休好みの道具は均整がとれているため、どのような取り合わせでもほぼ調和します。しかし、織部好みの道具は利休に比べ、激しく歪んでいたり、背が高すぎる、もしくは低すぎるなど大変個性的で、取り合わせが難しく見えます。実はここに織部独特の緻密な計算があり、細くて背の高い茶入には平たく背が低い沓形茶碗を合わせるというように、相反する性質のものを取り合わせることで、それぞれが個性を発揮しつつも、全体として調和するようになっています。
それは“対照の美”、すなわち、全く性質の違うもの同士を並べ比べたとき、その違いが際立つ美と呼べるでしょう。本展では、この取り合わせを再現し、水指・茶入・茶碗を三つ に展示。加えて伝世品がない美濃焼の蓋を茶入に載せたり、大振りな細口の釜に織部形の大きな柄杓を取り合わせるなど(「旧聞録」)して展示します。
平成30年 秋季展
☆★☆ 対照の美 ☆★☆
■開催期間:2018/9/21~2019/1/15 9:30~17:30(入館は17:10まで)
休館日/年末年始(12/29~1/4)
■開催場所:古田織部美術館
京都市北区大宮釈迦谷10-37 太閤山荘内
■料 金:一般500円 高校生・大学生400円 中学生以下300円
■お問合せ:075‐707‐1800
■URL :http://www.furutaoribe-museum.com/