知られざる中国〈連環画 (れんかんが)〉 ~これも「マンガ」?~
「連環画」をご存知でしょうか? 日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、連環画とは、基本的に1ページが「1枚の絵+欄外の文字」からなる、ポケットサイズの中国の出版物です。20世紀初頭から中国に登場し、安価で読むことができたため、子どもから大人まで、多くの人達に親しまれていました。中国の大衆向けメディアの中でも大きな位置を占めてきた連環画には、その時々の中国の社会情勢や人々の生活なども垣間見ることができます。
京都国際マンガミュージアムでは、そんな連環画を多面的に紹介するとともに、同じ大衆的な視覚メディアであるマンガとの接点をさぐる展覧会を開催します。
連環画ってなに?
連環画の基本的な知識、中国の古典文学「西遊記」「水滸伝」「三国演義」を描いた連環画などを展示。
連環画と中国の人々
文化大革命期の政治宣伝的なものや、映画や海外小説を連環画化した娯楽性の強いものなど、さまざまな連環画のバリエーションを紹介。
連環画を読んでみよう!
連環画の典型的な形式をとった作品「孫悟空、三たび白骨精を打つ」(原題「孫悟空三打白骨精」、画:趙宏本[ちょう・こうほん/Zhao Hong-ben]・錢笑呆[せん・しょうほう/Qian Xiao-dai])を、翻訳付きの拡大パネルで実際に読めるよう展示。
また、伝統的な連環画の表現形式とは異なる、西洋・東洋絵画の特質を取り入れた中国「装飾派」の開拓者とも呼ばれる作家・張光宇[ちょう・こうう/Zhang Guang-yu]の長編諷刺作品「西遊漫記」(1945)なども取り上げ、連環画の表現の多様性を紹介。
連環画から新漫画へ
マンガのスタイルに影響を受けて1990年代以降に台頭してきたジャンルである「新漫画」についてなど、連環画をめぐる環境の変化と現在の中国のマンガ事情を考察。
学術シンポジウム
〈連環画〉、そのさまざまな顔 ~他ジャンルとの接点をさぐる~本展監修者の武田雅哉氏による基調講演のほか、連環画とマンガ・児童文化・文学・演劇など他ジャンルとの連続性を様々な見地から検討するシンポジウムを開催する。
日時 2015年5月30日(土)午後1時~5時30分
会場 京都国際マンガミュージアム 3階 研究室1
料金 無料 ※ミュージアムへの入場料は別途必要です
定員 50名(先着順)
参加方法 事前申込不要
内容/出演者 午後1時-1時10分 ご挨拶第一部 研究報告・ディスカッション
研究報告
午後1時10分-1時45分 「京劇と連環画」・田村容子(福井大学)
午後1時45分-2時20分 「民国期児童雑誌と漫画・連環画」・佐々木睦(首都大学東京)
午後2時20分-2時35分 休憩(15分)
午後2時35分-3時10分 「子ども文化と漫画・連環画」・加部勇一郎(北海道大学)
コメント・ディスカッション
午後3時10分-3時50分 連環画研究とマンガ研究の接点について
雑賀忠宏(京都精華大学 国際マンガ研究センター)、竹内美帆(京都精華大学)午後3時50分-4時5分 休憩(15分)
第二部 講演・対談
午後4時5分-4時35分 【講演】連環画はなぜおもしろいか?:武田雅哉(北海道大学)
午後4時35分-5時10分 【対談】武田雅哉 +ジャクリーヌ・ベルント(京都精華大学)
午後5時10分-5時30分 質疑 まとめ
■開催期間:2015/4/25~7/5 10:00~18:00
休館日/水曜日、4月30日、5月7日、6月1日~4日 ※4月29日・5月6日は開館
■開催場所:京都国際マンガミュージアム 2階 ギャラリー4
京都市中京区烏丸通御池上る
■料 金:ミュージアム入場料のみ 大人800円 中高生300円 小学生100円
■お問合せ:075-254-7414(代)
■URL :http://kyotomm.jp