皇室の名品 ―近代日本美術の粋 ― 後期
皇室ゆかりの近代絵画・工芸の名品が一堂に。
京都のみの開催、どうぞお見逃しなく!
本展は、代々の皇室に引き継がれてきた美術品群が国に寄贈されたことを受け、平成5(1993)年に開館した宮内庁三の丸尚蔵館が所蔵する美術工芸品の中から、選りすぐった近代以降の作品約180点を、六つの章に分け体系的に紹介するものです。日本画の横山大観、竹内栖鳳、油彩画の高橋由一、彫刻の高村光雲、七宝の並河靖之、金工の海野勝珉など、内国勧業博覧会や万博への出品作、御成婚や御即位を祝して制作された作品など、皇室ゆかりの名品が一堂に会します。
本年12月に天皇陛下は傘寿を迎えられます。その佳き年と、京都国立近代美術館の開館50周年、宮内庁三の丸尚蔵館の開館20周年が重なりました。各館の記念事業の一つとして、皇室とは特別にゆかりの深い京都の地で、皇室が守り育んでこられた、まさに近代日本美術の粋をご観覧いただけるまたとない機会となります。
全6章で構成される展示の第3章から後期のみの展示《雪月花》を選んでみました。
第3章は「皇室と官展」と題され、伝統派の工芸家や日本画家たちを擁護、制作活動を奨励すべく、内国勧業博覧会や日本美術協会展などに出品された工芸品や日本画を積極的に買上げられました。
そのような官展(文展と文展を改組した帝展)に出品されて御買上げとなった作品を中心に、皇室と大正・昭和の美術界との関係が紹介されています。
こちらは、第5章「皇室と日本美術院」で後期展示されている《朝陽霊峰》です。
第4章に通期展示されている”和田英作《朝陽富士》大正6(1917)年”と見比べて観るのも一興かと思います。
日本美術院は明治31(1898)年岡倉天心によって結成されますが、次第に休眠状態となり、大正2(1913)年、同年に逝去した天心の遺言を受け、横山大観と下村観山を中心として再興が図られます。その最中の翌3年8月、突然大観が文展審査員を外されるという事件が起こり、同院に所属する画家たちは文展を脱退、同展に対抗する形で同時期に展覧会(院展)を開催することとなりました。そのため、院展は在野の美術研究団体となりますが、中心人物の大観が尊王の気風が強い水戸藩出身ということもあって、皇室への崇敬の念が厚く、大正11(1922)年再興第9回院展への皇太子行啓に際しての画帖献上以来、現在に至るまで折々に作品を献上してきました。院展以外にはそのような団体はありません。
この章では、最初の献上画帖をはじめ、大正15年に明治宮殿の豊明殿で使用するために制作のご用命を受けて描いた《朝陽霊峰》など、大観の御下命あるいは献上作品がご覧いただけます。
■開催期間:後期 2013/12/11~2014/1/13 9:30~17:00
休館日 12/24・30~1/2 (12/23(月・祝)・1/13(月・祝)は開館)
■開催場所:京都国立近代美術館
京都市左京区岡崎円勝寺町 岡崎公園内
■入 場 料:一般1300円 大学生900円 高校生400円 中学生以下 無料
■お問合せ:075-761-4111
■URL :http://k-meihin.exhn.jp