生誕300年記念 伊藤若冲―京に生きた画/細見美術館

奇想の画家として知られる伊藤若冲は、江戸時代中頃の正徳6年(1716)に京都・錦小路高倉にあった青物問屋「枡屋」の長男として生まれました。数え年23歳の時、父の死去に伴い家督を相続し四代目を継ぎますが、40歳を機に弟に家督を譲り、絵画制作に没頭します。その個性的な画風は、さまざまな絵師がその腕を競い合っていた都市、京において大きな注目を集め、評判を呼びました。その後若冲は、天明8年(1788)に大火により被災し、一時大坂に身を寄せますが、晩年は深草の黄檗寺院・石峰寺の門前に隠棲、寛政12年(1800)に85歳で亡くなるまで絵画三昧の人生を送りました。
贅沢な材料をふんだんに使い、技を凝らして描かれた精緻かつ大胆なその作品は、観る人を圧倒する「気」に満ちています。また一方で、墨の濃淡や筆勢、紙の特性を活かした水墨画には、ユーモラスな視点や生き物を慈しむ優しい眼差しが感じられます。
それまでの日本の絵画にない奇抜なモチーフ、独創的な画面構成や絵画技法を駆使して捜索を行った江戸美術を代表する画家の一人として、若冲は時代や国を超えて見る人に強い印象を与え続けています。
生誕300年を機に行います本展では、若冲が生まれ、生きた京都で開催する展覧会として、細見コレクションの若冲作品のみならず、ゆかりの場所や作品の紹介、弟子らの作品も併せて展示することで、若冲の魅力的な世界をより実感していただける機会となるでしょう。
■京都ホテルオークラ展示
展示期間:2016年6月3日(金)~6月29日(水)
会場: 京都ホテルオークラ 1階ロビー中央(観覧無料)
住所 :京都市中京区河原町御池
展示予定作品:
「雪中雄鶏図」、「糸瓜群虫図」、「伏見人形図」、「群鶏図」、「風竹図」(すべて複製)
☆★☆★ 生誕300年記念 伊藤若冲―京に生きた画 ☆★☆★
■開催日時:2016/6/25 ~ 9/4 10:00~18:00
休館日/月曜日(祝日の場合は開館、翌火曜日休館)
■開催場所:細見美術館 京都市左京区岡崎最勝寺町6-3
■料 金:一般1200円 学生900円
■お問合せ:075-752-5555 info@emuseum.or.jp
■URL :http://shunga.emuseum.or.jp/