よそおいの細密工芸 /清水三年坂美術館
江戸から明治にかけての時代は、金工、漆芸、彫刻などの手工芸の分野において、技法的にも芸術的にも頂点に達していた時代と言えます。江戸の太平の世の中で、身を飾り装うことを楽しむ人々が増えると、実用を兼ねた刀の拵や印籠、髪飾りなどの装身具の意匠は、高度な技を駆使して美的に洗練されていきました。
しかし明治になると、武家社会の崩壊と生活様式の西洋化にともない、刀や印籠などの需要が激減し、制作に携わっていた多くの職人達が失業してしまいます。そうした中、懐中時計や帯留、指輪といった新しい装身具の需要が生まれ、優れた人材がこの市場に活路を求めました。そこには、江戸時代までに培われた一流の技術や感性が遺憾なく発揮され、花鳥風月や遊び心が表現された魅力的な作品が数多く生み出されました。
今展では、刀装具や印籠、髪飾り、帯留、カフス、指輪など江戸から明治にかけて作られた装身具を展示します。人々の装いに華をそえた名品の数々をご高覧下さい。
① 《小紋象嵌ブレスレット》2種
② 《庭の松図束髪簪》 鈴木美彦
③ 《蝶牡丹蒔絵印籠》 梶川作銘
④ 《玩具蒔絵櫛》 美雪銘
⑤ 《金垢紋銀梅簪》
⑥ 《秋草鶉図カフス》
《獅子熊図カフス》 海野勝珉
《虫撰図カフス》 豊川光長
《菊水図カフス》 海野勝珉
⑦ 《秋草に飛蝗図指輪》正阿弥勝義
《菊花図指輪》正阿弥勝義
⑧ 《草花図ペンダントトップ・ブレスレット》
⑨ 《山水蒔絵櫛・笄》
⑩ 《正月玩具蒔絵櫛》玉成銘
⑪ 《紅葉賀図べっ甲簪》
《葛蝙蝠蒔絵団扇形象牙簪》永政銘
《べっ甲花簪》
⑫ 《萩に鴨蒔絵櫛・簪》晋斎銘
⑬ 《金花文玉簪》
⑭ 《雨中曳舟図バックル》鈴木美彦
⑮ 《蔦蒔絵櫛・笄》 永幸銘
⑯ 《団扇に廻り灯籠蒔絵櫛》月耕銘
⑰ 《風景蒔絵櫛・笄》永秀銘
⑱ 《柿に猿図簪》
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2016年1月2日から1月31日まで美術館「えき」KYOTOにて開催される当館の京薩摩コレクション展「細密美!明治のやきもの ~幻の京薩摩~」チケット半券を当館受付にてご提示いただくと、1枚で1名さまの当日入館料が20%割引になります。 また、上記期間中、「よそおいの細密工芸」展入館半券を美術館「えき」KYOTO会場チケット窓口にてご提示いただくと、1枚で1名さまの当日入館料が200円割引となります。 |
☆★☆★ よそおいの細密工芸 ☆★☆★
■開催日時:2015/11/21~2016/2/14 10:00~17:00
休館日/月・火曜日(祝日開館)
臨時休館(12/9[水]-9/13[日])、年末年始休館(12/27[日]-1/5[火])
■開催場所:清水三年坂美術館
京都市東山区清水寺門前産寧坂北入清水三丁目337-1
■料 金:一般 800円 中高大生 500円 小学生 300円
■お問合せ:075-532-4270
■U R L:http://www.sannenzaka-museum.co.jp/