震災を記録した時代屏風を視る “あれから、そして、これから”
2012年を締めくくる展覧会です。
2011年の大きな出来事。地震と津波、そして原子力発電所の崩壊。
離れていながらも「大事」と向き合った関西のアーティスト達の表現に出会った一年でした。
自分とそうではないものとの連なりのなか、みずからのやり方で、胸中のとまらぬ揺れを押しとどめるかのように創り出された作品。
多くの展覧会で出会った、アーティストというメディアを通して記録された「あれから」。
その中から突き動かされた三人の作品がギャラリーモーニングに展示されています。。
尖展で活躍する山本俊夫は、2011年3月11日以降の混沌とした現世を、大きなナマズの棲む川の上に架かる橋の上で生と死が隣り合わせに踊る時代屏風に仕立てました。
そこにはオープンを前にした東京スカイツリーが、コンピュータの前を動かない庶民の姿が踊りゆく人びとと捉えられています。
Yamamoto Toshio
山本俊夫
1959年 大阪府生まれ
1986年 京都市立芸術大学大学院(日本画専攻)修了
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K2展に出品を続ける藤原康子は、14cm x3のキューブを高く積み上げます。
地理学を通して根本大地を考え、大地に直接触れる時の暖かさ、安らぎ、懐かしさをとらえつつ、時として大地が見せつける営力に挑む現代社会の限界と危うさを表出します。
Fujiwara Yasuko
藤原康子
1961 京都学芸大学第2社会科学科(地理学)卒業
2006 京都教育大学研究生(西洋画研究室) 修了
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アートスペース虹の個展で水と向き合った田中奈津子は、液晶の中の出来事として体験し、感じたことを、水があふれる水瓶に置き換えて表現。いつもは静かな水、一番大切なもののブルーなシタタリは鮮烈な共鳴りを呼び覚ます。
Tanaka Natsuko
田中奈津子
1981年 北九州市生まれ
2007年 京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻修了
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2011 >> after >> 2012 >> future >> 2013
「あれから、そして、これから」
2012.12.18(火)-23(日) ・ 2013.1.10(木)-20(日)
12:00-19:00(月曜日休廊) 日曜日は17:00まで
山本俊夫 Yamamoto Toshio / 藤原康子 Fujiwara Yasuko / 田中奈津子 Takana Natsuko
ギャラリーモーニング
京都市東山区三条通白川橋東入四丁目中之町207番地
(三条通り岡崎広道西南角)
075-771-1213
http://gallerymorningkyoto.com