浮世絵に描かれた子どもたち
浮世絵には、子どもをめぐる江戸文化のあり方を伝えてくれる作品が少なくありません。美人、役者、風景を代表主題として認識することの多い浮世絵ですが、子どもを題材とした浮世絵もまた重要な分野であり、大きな需要があったことは特筆すべきでしょう。
親は子を宝として守り育て、ふれあいを大切にし、心づくしの玩具や屋内外での遊びの機会を与えました。一方で、寺子屋での学習や諸芸の稽古事にも熱心で、江戸の子どもたちは十分な教育を受けることができました。
注目すべきことは、これらの子どもを巡る光景がありきたりの日常であったにも関わらず、絵の主題となり、それを購買する人が多くいたという点です。
幕末・明治期に来日した多くの外国人が、日本の子どもが非常に大切にされ、幸福そうにしていることを印象深く書き残し、日本を「子どものパラダイス」とさえ評しています。子どもたちを無条件に愛し、守るべき愛らしい存在として描いてきた浮世絵は、美術的価値ばかりでなく、親が子どもを守り育てる本来のあり方を示してくれているようでもあります。
本展覧会では、I子どもへの愛情、II子どもの成長を願う、III江戸は教育熱心、IV 遊び好き・いたずら好き、V キッズ大行進—やつし絵・見立絵—、VI 子どもの好きなお話、という6つのコーナーに分け、公文教育研究会所蔵の子ども浮世絵コレクションを中心に約300点を展示します。
また、江戸時代の近江の子どもたちの暮らしや学びの一端を窺い知ることができる資料も合わせて紹介されます。
※ 会期中に大幅な展示替があります。
・前期期間:4月18日(土)─5月10日(日)・後期期間:5月12日(火)─6月7日(日)
関連事業
■講演会「浮世絵師たちの″子ども絵″腕くらべ─歌麿・広重・国芳を中心に─」
日 時:4月26日(日) 14:00〜15:30
講 師:中城正堯(江戸子ども文化研究会主宰・国際浮世絵学会理事)
会 場:当館講堂
定 員:150名(当日先着順)
参加費:無料
■ワークショップ「木版画で作る一筆せん」
内 容:講師の指導のもと、木版画の「多色摺り」技法を応用したオリジナル一筆せんの制作に挑戦します。木版画初心者の方から経験者の方までご参加頂けます。
日 時:5月17日(日) 11:00〜16:00
会 場:当館ワークショップルーム
講 師:ふるさかはるか(版画家)
定 員:15名 材料費:1500円
対 象:一般の方(高校生以上、中学生以下のお子様の同伴不可)
申込方法:参加希望人数(2名まで)・代表者氏名・住所・電話番号・年齢を明記のうえ、往復ハガキにて、または当館ホームページよりお申し込みください。5月1日(金)必着。申込多数の場合は抽選。
■たいけんびじゅつかん(親子で参加していただけるワークショップ)
1.「凧あげピクニック」
日 時:4月19日(日) 10:00〜14:00
会 場:当館ワークショップルーム、わんぱく原っぱ(びわ湖文化公園内)
定 員:30名
材料費:300円2.「親子でコラボ 木版かざくるま」
日 時:5月23日(土) 10:30〜16:30
会 場:当館ワークショップルーム
講 師:ふるさかはるか(版画家)
定 員:10組20名(親子で共同作業をして頂きます)
材料費:500円対 象:小中学生とその保護者(お子さまと保護者一緒にお申し込みください)
申込方法:往復ハガキまたはホームページから。「凧あげピクニック」は4月6日(月)、「親子でコラボ 木版かざくるま」は5月11日(月) 必着。
※ 大人の方は観覧券(団体料金800円)が必要です。
■名画でびっくりコラージュ お江戸バージョン!
内 容:世界の名画を土台としてさまざまな画像を切り貼りし下敷きを作る当館人気のワークショップ「名画でびっくりコラージュ」に「お江戸バージョン!」が登場! 通常の画像に加え、本展出品作など浮世絵作品の画像を使った制作が楽しめるスペシャル版です。
日 時:5月3日(日)、4日(月・祝)、5日(木・祝)、6日(水・祝) 10:00〜15:00
会 場:当館ロビー
※上記の時間内ならいつでも当日参加可能、参加費無料
■開催日時:2015/4/18~6/17 9:30~17:00
休館日/毎週月曜日(祝日の場合は翌日)ただし5/4(月・祝)は開館5/7(木)休館
■開催場所:滋賀県立近代美術館 大津市瀬田南大萱町1740-1
■料 金:一般1000円、高大生650円、小中生450円
■お問合せ:077-543-2111
■U R L:http://www.shiga-kinbi.jp/