重陽の節会/虚空蔵法輪寺
重陽の節句が法輪寺で執り行われる。 不老長寿・甦りの力を持つ菊の節句である。
中国の話に・・・菊水を飲み続け700年生きた人の話がある。 それを「菊慈童」という。
菊の雫で得た妙薬の菊水不老延寿の威力は、まことに凄まじい。
アンチエィジングがキーワードとなる時代に朗報ではないか。
五節句のうち今や一番見向きもされていない節句が「重陽の節句」であるが、
実は、「重陽の節句」は仕事も休む特別な日とし、
神々に食物を供えていたと伝わるほど重要な節句であった。
9月9日は、二ゾロの最高の陽数であるというのが、
陰陽五行に言われている数で、それを物語っていた。
なんと、この肌、この姿勢の美少年は700歳だという。
この日に、平安の世より今もなお、
重陽の節会(ちょうようのせちえ)が、行われているところがある。
「邪気をはらい、寿命をのばす」との祈りを
一堂に会し念じられた読経は、荘厳に響き亘る。
住職の後ろ脇に立ち飾られているのが、平安時代より伝わる「被綿(きせわた)」で、 虚空蔵法輪寺にはその被綿(きせわた)と菊慈童とが伝わる。
能の演目にある「菊慈童(枕慈童)」の物語のあらすじはこうだ。
「周の時代、誤って高官の枕をまたいでしまった童子が、死罪に問われるほどの無礼に後悔し、奥深い山中に逃げた。 そこは仙境。童子は王が枕に書いてくれた経分を、仙境に咲く菊の葉に書いた。その菊を伝い滴る露が、仙境の流れとなり、童子は菊水の流れを汲み飲んでいた。時下り魏の時代、薬の水が流れ出ていると言う噂を聞いた勅使が仙境を訪れる。童子に聞くと・・・この菊水が不老長寿の妙薬であると知る。」
「あの時、枕をまたいでよかったな」というオチで終わる。
菊花酒は百薬の長
重陽で一杯 月見で二杯 by 五所光一郎
重陽の節会
9月9日
虚空蔵法輪寺
京都市西京区嵐山虚空蔵山町68
075(862)0013
http://www.kokuzohourinji.com/