野村万作・野村萬斎狂言公演 『佐渡狐』『鬮罪人』
人間国宝の野村万作、
映画『のぼうの城』主演など狂言以外でも活躍している野村萬斎による狂言公演。
「佐渡に狐がいるかいないか」を巡って賭けをすることになった二人のお百姓と、片方から賄賂を受け取った奏者とのやりとりに現代にも通じる風刺性を感じる『佐渡狐』(さどぎつね)は、一年を締めくくる年貢納めを描いたおめでたい演目でもあります。
京都の祇園祭を背景に、主従の関係を巧みに描いた『鬮罪人』 (くじざいにん)は、怖い主人を描く「三主物」(さんしゅうもの)と言われる演目のひとつで、大変見ごたえのある佳作です。祭りの浮き立つような雰囲気を、囃子入りでお楽しみください。
公演の冒頭には、野村萬斎による解説があり、初めてご覧になる方にもお楽しみ頂けます。
また、アクロバティックな小舞「鮒」は、琵琶湖の湖面で鮒の精が踊りはねる姿を描いています。
びわ湖ホールならではのプログラムが並ぶ本公演を、どうぞお見逃しなく!
『佐渡狐』 さどぎつね
年貢を納めに上京する途中で道連れになった佐渡と越後のお百姓。佐渡に狐のいるいないを巡り賭けをすることになったが、実は佐渡に狐はおらず、狐を知らない佐渡のお百姓は、奏者(取次の役人)にワイロを使い味方についてもらう。奏者の「佐渡に狐はいる」という判定に納得のいかない越後のお百姓は、狐の形格好を問いただすが、奏者の懸命なブロックサインで佐渡のお百姓は何とかしのぐ。
奏者と佐渡のお百姓の連携プレーと、邪魔をしようとする越後のお百姓の遣り取りが見どころです。風刺性がありながらも、和やかさの漂う笑いをお楽しみください。
『鬮罪人』 くじざいにん
祇園会の当番に当たった主人は町の人たちを集め、祭の山車(だし)の相談を始める。しかし祭に興味津々の太郎冠者が人々の案に何だかんだと口を出すので、話がなかなかまとまらない。苦々しく思う主人だが、ついには太郎冠者の出した案が人々の賛同を得てしまい、主人もしぶしぶ従うことになる。早速くじ引きで役を決め、稽古を始めることになるが…
『武悪』『止動方角』と並び、怖い主人を描く狂言の「三主物」の一つに挙げられる曲です。祭の準備に浮き立つような雰囲気の中で、どんどん調子に乗っていく太郎冠者と、みるみる不機嫌になっていく主人の、絶妙な遣り取りをお楽しみください。
■開催日時:2013/12/15 開演①13:00~ / ② 17:00~
■開催場所:滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール 中ホール
滋賀県大津市打出浜15-1
■料 金:S席 6000円 A席 5000円 全席指定・税込
■お問合せ:077-523-7136 チケットセンター
■URL :http://www.biwako-hall.or.jp/2013/11/8229/