春秋座 能と狂言
そもそも「曲舞」は、世阿弥の父観阿弥が、当時の流行(はやり)の芸能であったものを、猿楽の能に取り入れ、その長大な「語り舞」によって、大和猿楽の音曲面も舞の部分も、飛躍的な変化を実現した芸能でした。銕之丞師の舞うシテの老女は、深山幽谷に棲む超自然的な存在であり、都の芸能者を巻き込んで、長大な「曲舞」を舞い、それを「山姥の山巡り」へと繋げて、深山幽谷に舞い遊びます。能という芸能の孕む「宇宙的な神秘」に通じる「超絶的な幽玄」と言ったらよいでしょうか。
狂言は、冬と雪にも因んだ大曲、『木六駄』を、人間国宝の野村万作師が演じます。
万作先生の父上の六世万蔵師の最晩年の舞台では、能楽堂の空間に、本当に「真っ黒になって落ちてくる雪」という風流が現出した、感動的な瞬間がありました。御父君をも越えて万作師の太郎冠者が、どんな「雪景色」を、春秋座で体験させてくださるか。今から、ぞくぞくする思いです。渡邊守章(京都造形芸術大学客員教授、演出家)
☆★☆★ 春秋座 能と狂言 ☆★☆★
■開催日時:2015/1/31 開演14:00~
■開催場所: 京都芸術劇場 春秋座
京都市左京区北白川瓜生山2-116 京都造形芸術大学内
■入 館 料:A席 一般6000円 シニア5500円 友の会5000円 学生&ユース席 2,500円
■お問合せ:075-791-8240(京都芸術劇場チケットセンター)
■URL :http://www.k-pac.org