「ひと肉、申し上げます。」その1 名店はレバーで決まる【よし田】

【其の壱】名店はレバーで決まる【よし田】

私にとって、肉とは牛。牛のものなら骨の髄から乳製品までなんだってウェルカムだ。
だが唯一、苦手とする部位がある。

それが「生レバー」。
払っても払っても追いかけてくるストーカーのごときネチャネチャ感に怒りすら込みあげる。
だが、「よし田」のレバ刺しは私の予想をさっくりと裏切った。
はち切れんばかりのみずみずしさは、まるで水風船のよう。
箸で突付けばぷるるんと震えがきそうなテクスチャー…。
「一を以て万を知る」の言葉の通り「この店、できる！」と確信した。

続いてお勧めされたのが、焼きホルモンで「リードボー（胸腺）」。
「フォアグラみたいに濃厚ですよ」と店主が明言するように、トロトロと舌を滑る食感にノックアウトされた次第。
聞けば去年の10月にオープンしたばかりの新参。
「食肉解体場に知り合いがいて、（小売りもやっている）その人の目利きで肉を選んでもらっているんです」。
なるほど〜、そりゃ間違いないわな。
良心的な価格設定も手伝って、目下私の焼肉ランキング第一位に輝いている。