ラーメン勝鞍 かちくら
眠らない祇園の夜は、薄味がよろしおす
どれほどの酔客がこの味に救われてきたのだろう。京のお家芸である背脂醤油を継承しつつも、あのどギツい脂のぬらぬら感はどこへやら。京料理に通じるような、薄味の上等スープ。血気盛んなお子チャマには、きっとまだ分からない。祇園から流れ着く深夜の大人の胃に染みる、ちょうどいいこの塩梅を。そこんとこを知っているから流石の芸妓、なのである。「豚の背脂だけだとちょっと脂っこい気がするので、鶏の脂も混ぜています。でも旨みが足りなくなると困るんで、刻んだ豚肉も一緒に混ぜてあるんですよ」。かつては京料理店や居酒屋で和食街道を歩んだ大将。ラーメン屋の経験はなかったが、好きが高じてゼロから発心したのが5年前のことだった。酔客はとかく喉が渇くもの。飲み干せるほどあっさりスープは、砂漠のオアシスのようにありがたい。呑み助応援マガジンの本誌上では、2年に1度のペースで掲載される準レギュラー的存在だった。酒好きよ、永遠なれ。シメにイケ麺忘れるな。
京都市東山区祇園町南側570
075・551・0053
12:00〜14:00
17:30〜翌2:00/不定休
【平均予算】1300円