ますたに
食べる方も王者だから
てっぺん背脂醤油を
水を飲むかのごとく
本誌がラーメン特集を初めて組む前から、この店はあった。今と変わらず疎水沿いに。もはや誰もが認める「背脂醤油」系の老舗でもあり、その地位は揺るぎない。そんな「王道の中の王道」に足しげく通う食通・料理人は多けれど、「もぉ水を飲むようなもん(笑)」と言う人も。美食家でならす彼にとってラーメンとは、ときに「気持ちを高めて行く」ものである。ただそれは流行の先端、もしくは新店。味をチェックし、行ったことをいち早く他人に伝えるための一杯だ。対して「ますたに」は生きていく上で欠かせない店。京都ラーメン御三家とか、四天王とか呼ばれる店の中で、「the京都ラーメン」の風格がここにある。また「おばちゃんたちが忙しくしてはる方の店」というこの場所は、氏の労働意欲をかき立てるのかもしれない。食べる方は美食王、店の方は王道。この関わり方が、いずれもが京都のてっぺんにあり続ける条件なのかもしれない。
京都市左京区北白川久保田町26
075・781・5762
10:00〜19:00
日祝10:00〜18:00/月、第3火休
【平均予算】750円